調査・見解・提言

【14.11.01】景況調査2014/7月~9月

調査期間 9月16日~10月5日
回答数79社/410社(18.3%)

■売上増加するも利益減

   会員企業の景気動向調査を九月十六日から十月五日まで行った。四百十社のうち七十九社が回答を寄せた。(回答率一九.二%)
 現在の経営状況は業況判断DIを全業種で見ると売上高DIは七月調査の二から八.九に増加したが、経常利益DIは六からマイナス三.八に悪化、資金繰りDIも八.七から一.三に減少した。
 十月~十二月の経営の見通しは、売上高は五.八ポイント上昇を見込むが、経常利益マイナス四.一、資金繰り一.四ポイント悪化予測だ。

■建設・製造が悪化

   業種別では売上高DIは建設業一五.九ポイント・製造業一〇.七ポイント減少し、卸小売業一〇ポイント・サービス業一二.五ポイント回復した。経常利益は建設業五〇.八ポイント・製造業二〇.三ポイント悪化、サービス業は八.六ポイント好転した。
 経営の見通しを業種別に見ると、売上高DIは建設業で八.八上昇予測だが、製造業二〇.二ポイント・卸小売業も二五ポイント下降予測だ。経常利益DIは建設業でマイナス一七.九、製造業でマイナス二二.六悪化予測だが、サービス業は一四.四ポイント好転を見込む。

■開発型企業が半数

   自社の最大の経営課題は人材育成が四三.八%で圧倒的に多い。  
 前年に新商品新市場を開発開拓した企業は、商品開発二四.一%、市場開拓二六.六%で合せて五〇.七%あった。事業承継は五五%が考えており承継先は幹部社員三四.一%、息子二九.三%、娘九.八%であった。

【総評】

全国的に二〇一四年第3四半期の景況は、前期において消費増税の反動が激しかったが、それが下げ止まる傾向が見られる。それに対して、本調査結果では、前期の経営悪化状況がそれほど見られず、本期もそのまま緩やかに推移している。この違いに関して、一つは本調査の回答率が低いことが影響している可能性がある。他の調査では概ね、前期にDIはマイナス二〇以上に落ち込んでいる。本調査では比較的経営に余裕のある企業の回答割合が多くなっているバイアスが予想される。とはいえ、昨年あたりから全国調査(中小企業庁の業況判断DI等)の中でも石川県は他地域に比べ景況指標が相対的に高く出る傾向があり、地域的には比較的好況に推移していることが伺える。
 これを裏付けるように、人材育成を課題とし、新商品新市場の開発開拓に積極的で、事業承継を考えている企業が過半(中小企業庁の今年の全国アンケートでは三割程度)であるなど、石川県企業の前向きな姿勢が示される調査結果となった。ただし、これも回答者のバイアスがあるかもしれず、まずは回答率の向上が急務である。 佐無田 光 氏(金沢大学人間社会学域教授)

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