調査・見解・提言

【15.05.01】景況調査2015/1月~3月

調査期間 3月17日~4月7日
回答106社/390社(27%)

■見通しは資金繰りで悪化予測

   現在の経営状況は業況判断DIを全業種で見ると、売上高DIは一月調査の一九.四から八.五に一〇.九ポイント下降、経常利益DIも一一.三から五.七へ下降し、資金繰りDIも三.二からマイナス一.九に転じた。
 四月~六月の経営の見通しは、売上高は一七.七から一七と横ばいだが、経常利益は二四.二から一〇.四へ、資金繰りも一四.五から四.七へ悪化見込み。

■建設業、卸小売業の下げ幅大

   現在の経営状況を業種別で見ると、売上高DIは建設業二八.六ポイント下降、卸小売業も四五.五ポイント下降した。製造業は二三ポイント上昇、サービス業はほぼ横ばいとなった。経常利益も同様に建設業が二一.四ポイント下降、卸小売業三三.二ポイント下降、製造業は一二.五ポイント上昇した。
 経営の見通しを業種別に見ると、売上高DIは建設業で一三ポイント、卸小売業で一.四ポイント悪化予測、製造業で一二.五ポイント、サービス業で四.五ポイント好転予測だった。経常利益DIは建設業、製造業、卸小売業が悪化予測、サービス業はほぼ横ばいの予測だった。

■新幹線影響なしが5割

  北陸新幹線開業による現在までの影響は、よい影響があるが三五%、悪い影響があるが三%、影響なしが五〇%だった。四月の新入社員の採用は、三二%が採用ありと回答した。

【総評】◆仕入単価上昇、人材不足 

 三月は北陸新幹線の開業に沸いた。また、安倍政権の地方創生戦略が本格化するにつれて、地域経済活性化の効果が期待されるようになっている。ただしこれらは多分に雰囲気先行的で、足下の中小企業を見ると、そこまで直接的な変化はまだ多くはないようである。今回の景況調査では数値は全体としてやや下がったが、景気はこの一年間比較的堅調な推移を見せている。リーマンショック以降ではもっとも安定した時期にあると言えるかもしれない。現時点での経営の懸念は大きく二点ある。一つは、円安に伴う資材費の高止まりで、原油安にも関わらず、仕入単価は上昇を続けている。もう一つは、人材不足の問題で、とくに建設業における人手不足は全国的に深刻である。にもかかわらず新規採用は回答企業の三割にとどまり、地方企業の採用の難しさを表している。地方創生において産官学一体となって改善すべきテーマである。(佐無田光 金沢大学人間社会研究域 教授)

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