【16.07.01】次代を担う 次代を託す(3)
人を大切にすることが商品を育てる
萩野塗装(株) 常務取締役 萩野充弘 会員
『塗装業界の地位向上』『明日も行きたくなる会社』『笑顔のあふれる職場』。この三つの柱を会社の理念とし、実践している萩野会員。学生時代は空手に熱中し、県内優勝など優秀な成績を収め、自身の価値観を追求しました。卒業目前の二ヶ月前、父の経営する会社を自分で担う決意をして、卒業後は名古屋の塗装会社で五年間修業した後、入社しました。
「建設業界の商品は人が作っていくもの。人をないがしろにしていたら商品がなくなってしまう。人を大切にすることが商品を育てる」そんな父の思いを継ぐためにも、人が来てくれることを当り前と思わず、社員の心を知り、誇りを持って働く事の出来る会社づくりに取り組みはじめました。
誇りを持ってもらうためには、まずは実績が必要です。地域に信頼していただくためにも丁寧かつ誠実な仕事を心がけ、フェイスブックやウエブサイトなどを最大限効果的に利用し発信を続けながら、着実に大きな仕事を獲得していきます。それにより、町は自分達がつくっているという自信と誇りが浸透し始めました。
更に楽しい会社づくりを実現するために、『人を想う時間』を増やしました。現場に直行ではなく、必ず会社に集まり社員の顔色を見て、現場での注意事項や思いの共有、時には本などで見つけた成長できる話を共有しながら、思いを一つにしていく朝礼を実施しています。それにより、自分達がどこに向かうべきなのかを確認し合えるようになりました。そして、帰社したら『萩野道場』(写真)で一汗流し交流します。健康管理も社員への心遣いです。数種類のマシーンを置き、シャワールームも完備。仕事の話だけでなく、プライベートな話も飛び交うようになりました。
「小松で一番小さい塗装屋から、石川県一番の塗装屋になりました。空手では北信越二位だったけど、仕事では北信越で一番経営状態がよく、仲のいい会社をつくってみせます」と、窮屈そうに筋肉を隠したスーツで話してくれました。お茶目で底抜けに明るい萩野会員の笑顔を見ると、萩野塗装で働く社員の幸せな顔が目に浮かび、羨ましくなりました。広報委員として取材を通じて、私自身にも新たな目標が見えてきました。