【20.03.01】事業承継(44)
「これから楽しくなりそう」と思われる承継に
有限会社 岩内蒲鉾店
岩内 一郎 会員
同社は、明治12年に近江町商店街で創業し141年目を迎えます。創業当時からかまぼこの製造・販売を生業としてきました。現在では常時15種類以上のかまぼこを製造しており、お客様の個別のオーダーにも対応しています。
岩内会員は大学在学中、これからの自分の道を見出せず悶々としていた時、社長である父親から非常に厳しい経営状況であることを聞きました。それを機に「いつまでも遊んでいてはいけない。戻って会社の力になりたい」と、大学を中退し2002年に入社します。
同友会には2015年に入会し、当時は例会中のグループ討論などに苦手意識があり、参加することも少なかったと言います。転機となったのは、青年部会での活動でした。同世代の経営者たちとの同友会活動を通じて会内にも自分の居場所を見つけることが出来ました。それからは支部例会にも積極的に参加するようになり、今では「自身ならどう考えるか、どう取り組むか」をフィードバックしています。
現在青年部会では特別例会実行委員長を務め、2月21日の特別例会には「事業承継」をテーマに(株)デルタ自動車教習所の代表取締役である臼井庸浩氏(京都同友会)に報告頂きました。例会作りの中で臼井氏と何度も本音でやり取りすることで、自身の事業承継についても覚悟を持ち始めることができたと振り返ります。
昨年、社長が病気で店に出てこられなくなり、岩内会員が実質現場の責任者となりました。その時初めて「全ての自身の行動が数字に現れるという責任とプレッシャーの大きさを感じた」と言います。しかし、今までは出来なかった、社長と素直に会社のことを話すということが出来るようになり、会社に対して本気で向き合うようになりました。
事業承継は年内を目標に、家族や社員にも「これから楽しくなりそうだ」と思ってもらえるような周りを巻き込んだ承継にしたいと語ります。そのために、経営理念である「お客様の笑顔を創造する」「共に感動を分かち合える。互いに感謝し認め合う」ことを大事にし、かまぼこをもっと食べてもらえる環境を創造していきたいと想いを語りました。