【20.05.01】事業承継(46)
夢は印刷業から希望創造型企業へ
株式会社栄光プリント
常務取締役 出村 有基 会員
同社は1971年、キリスト教徒であった祖父が牧師になるための神学校で、講義内容を筆耕したものをガリ版で複製し、教本を作って配布していたことを活かして印刷業を創業しました。当初モノクロのテキスト関係の印刷から時代の変化で、カラーのポスターなど商業印刷の仕事へと幅を広げました。近年インターネットの普及によりホームページの制作や挨拶状のネット販売、自分史などの自費出版も手掛けています。
出村会員は教育学部を卒業し教育者の道を志しましたが、兄が別会社を創業することを機に、人と関わるのは教育の場だけでなく印刷の仕事でもできると考え、将来の承継も見据えて父親の会社へ2012年に入社しました。
同友会は社長である父親からの名義変更で2018年に入会しました。ゲスト参加の際に、自社の経営理念や栄光プリントは何のために経営しているのかを問われたことに同友会の奥深さを感じ、入会してもっと深く勉強したいと思いました。
青年部会北陸三県例会で萩野会員の「勇気を持って階段の前の憂鬱を打ち破り、行動を実践したことにより会社が成長した」という報告が印象的で、他の例会でも「頭や口だけでなく勇気を持ってすぐに行動すること」「周りと関わり合い続けることの大切さ」を教えられました。それに気づいた出村会員は、自分が変わると周りも変化する、それは会社の縮図であり、自社での実践にもつながると確信しました。
同友会で互いに尊敬する大切さを学び、兄の会社とも手を取り合い、全国の印刷組合が主催する「大喜利印刷」という「あったらいいなを実現する」をテーマにした解決型のイベント企画に社員と参加しました。その結果「世の中に無いものを創る喜び」や「世の中のニーズに寄り添うことの大切さ」を会社として実感しました。今後は印刷業という枠から飛び出し、「情報加工サービス」を通じて社会やお客様の希望や夢に寄り添いながら歩むクリエイティブ集団を目指し、「希望創造型企業」への成長を夢に描いています。
出村会員は経営指針講座受講を決意しています。同社は印刷会社でありながら理念に印刷の文字はありません。社長が作った理念を理解しながら自身の理念を作り、承継を見据えて会社の先頭に立ち、社員と共に成長したいと語りました。