調査・見解・提言

【21.01.20】景況調査2020/10月〜12月

全業種で前回調査より悪化

 \; 第36回景気動向基本調査結果(2020年10月〜2020年12月)
調査期間12/17〜1/11 回答59社(建8社・製16社・小売10社・サ25社)/390社(15%)

 現在(10月〜12月)の経営状況は、(7月〜9月期と比べて)全業種で見ると、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は10月調査の12.5から0へ悪化しました。経常利益DI(「増加」−「減少」割合)も7.1から1.7へ、資金繰りDI(「余裕」−「窮屈」)も同様に7.1から1.7へと悪化しました。前回10月調査の見通し予測は売上、経常利益、資金繰り共にマイナスの予測でしたが、マイナスの結果とはならなかったものの、前回よりは悪化の状況を示しました。
 10月〜12月の経営状況を業種別で見ると、建設業では売上高DI△40→0へ、経常利益DI△30→12.5へとマイナスを脱し改善しました。製造業は、売上高DIが55.6→12.5へ、経常利益DI44.4→18.8へ、資金繰りDI11.1→0へとプラスを保ちつつも悪化しました。卸小売業は売上高DI0→△10、経常利益DI△6.7→△10とマイナスを示しましたが、資金繰りDIは△6.7→40へと改善しました。サービス業は、売上高DI27.3→△4、経常利益DIが18.2→△8、資金繰りDIは4.5→△16といずれもマイナスに転じました。

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経営の見通し悪化を予測

 \;  経営の見通し(1月〜3月予測)は、全業種で売上高DIが△7.1→△13.6へ、経常利益DIが△8.9→△16.9へ、資金繰りDI△5.4→△20.3と変わらずマイナス水準が続き、さらに前回よりも悪化の予測を示しました。
 業種別の経営の見通しでは、建設業の売上高DIは、△10→△25へ、サービス業13.6→△8へと悪化の予測となりました。製造業は△22.2→△12.5へ、卸小売業△26.7→△20、とマイナス水準ながら少しの改善を予測しました。見通しの資金繰りDI(「余裕」−「窮屈」)を業種別にみると、建設業は△10→△12.5、製造業で0→△25、卸小売業△13.3→△30、サービス業0→△16と全業種で窮屈感が強まる予測となりまた。

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再び人材不足傾向に

 \;  仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)は全業種でみると14.8→14.1と横ばい、業種別ではサービス業だけがマイナスとなりました。
 一方、販売単価・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)は全業種で△5.4→△3.4とマイナスが若干緩和しました。
 生産・営業設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は、全業種でみると前回調査の△1.8→△1.7へと横ばいでした。製造業だけが△11.1→△12.5と不足感を示しました。
 雇用状況DI(「過剰」−「不足」)を全業種でみると△3.6→△20.3と再び人材不足の傾向が強まりました。特に建設業で0→△50、製造業で0→△12.5へと不足に変動しました。
 現状での自社の最大の経営課題については、人材育成26%、売上高増加20%、次いで収益構造改善12%、販売・受注競争の激化10%の順となりました。
 10〜12月期に課題解決のために試みたこと(自由意見)として、「巣ごもり需要で例年より忙しい」「主力の需要が戻らず作業日数を短縮し、自己研鑽や課題解決のミーティングをしているが、固定費の削減にはならず、1月からは経費の見直しを更に進める」「設備投資計画見積もりを早急に実施する」といった回答がありました。

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