【24.02.14】令和6年能登半島地震における会員被災状況
令和6年能登半島地震における会員被災状況
1月16日〜26日に行った全会員(403名)に向けたアンケートは、全6支部から69件の回答がありました。支部別の被災件数、業種別被災件数(いずれも軽微被災含む)、支部別被害額、業種別被害額(いずれも回答者推定含む)は図の通りです。
支部別被災件数は、能登支部13件、金沢中央支部13件、金沢駅西支部9件、金沢城南支部9件、南加賀支部7件、白山・野々市支部2件と全支部に及びました。支部別被害額では、能登支部で2億6,100万円と全県被害額の75%を占めます。(被害が甚大で概算額が不明を除く)業種別被災件数は、製造業11件と最も多く、次いで卸売業・小売業10件となりました。
和倉温泉に甚大被害
被害があったと回答した方の中で一番多く占めた被害分類は「営業停止・キャンセル等」で15件、次いで「機械・設備等破損」が13件となっています。営業停止・キャンセルは、受発注ロス、イベントの中止、レンタル契約のキャンセルなどが挙げられます。特に、和倉温泉(七尾市)では、建物が傾くなど海岸線沿いの被害が甚大です。建物内部や配管が大きく被災し、概算でも数億円以上の被害額が見込まれますが、被害が甚大なだけに正確な被害額が把握できない状況にあります。そのため、営業再開までに長期(1年以上)を擁することも見込まれます。この間の従業員の雇用維持や人口流出も懸念されます。また、奥能登地域への納品予定物の出荷停止も発生しています。
一方、地震翌日の1月2日に店舗の片づけを行い、3日より早期営業再開したスーパーマーケット(七尾市)の会員は、「震災2日後に営業していた食品スーパーは3件のみで地元住民の方に大変喜ばれました」と振り返りました。また、被災者への不動産物件の無償提供及び臨時雇用を進めているという回答(野々市市)もありました。
限られた資源で営業
被害分類で2番目に多かった「機械・設備等破損」については、営業再開に大きく影響しています。片づけや修理など震災後すぐに対応できた企業は、問題なく営業再開しているところも多い一方、「社員の被災で社内体制が整わない」、「道路事由でメーカーに修理してもらえない」、「余震が続き片づけに手を付けられない」など、限られた範囲での業務を行っているとの回答や水産加工業では、津波による在庫流出、仕入れ先の変更、断水による営業停止など売上の大幅減少が報告されました。
津波被害により会社移転も視野にいれているとの回答もあり、今回の震災がさらなる能登地域の人口減を加速させるのではないかと懸念されています。件数は少ないながらも、「取引先の廃業」による売掛金の回収困難に直面する会員も出ています。