委員会活動

【09.01.21】2009新春講演会・賀詞交歓会

「今こそ、しっかりとした経営の舵取りを!」広浜中同協幹事長が講演

   1月21日、ANAクラウンプラザホテル金沢で新春講演会が行われ延べ142名が参加した。
 冒頭、玉田善明代表理事は「今こそ中小企業の強みである素早く変化に対応した舵取りをして疾風に負けない強い自社の根っこを作ろう」と年頭の挨拶をした。
 

  講演会では広浜泰久氏(株)ヒロハマ・会長/中同協幹事長/千葉同友会代表理事 が「今こそ、しっかりとした経営の舵取りを!」~地域に発信する光になって~と題し講演した。
 引き続き開催された賀詞交歓会では、新春にふさわしく竹原慶子会員(写真)による花柳流日本舞踊が披露され、華やいだ雰囲気の中、新たな交流や情報交換がなされ、互いに経営体質強化を誓い合った。 

  以下は、広浜氏講演要旨---------


◆例会での学び・理念の確立
 わが社は、業務用のブリキ缶のフタ(部品)を専門に作る開発メーカーで、国内製造の約5割を占め、同友会で学んで業界のトップになった。
 最初に参加した例会で「中小企業は税金を払わないようにするから大きくなれない」「利益は毎年自己資本に組み入れ財務体質を強化する」「社員の人生に会社は責任を持つ」「社長の給与を削ってでも労務費の10%は教育にかける」といった議論を真剣にしていることに非常に驚いた。 
 例会での学び方は、毎回メモをしっかりとって重要な点は印をつけ、自社に当てはめて課題を抜き出して自分の計画に折り込み、実際に経営に活かしていった。特に勉強になったのは、①自己資本比率30%めざせ②投資利益率20%めざせ③人時生産性5千円をめざせという点だ。   
 平成9年に千葉同友会で経営指針成文化セミナーがスタートした。その頃、私の独断で始めた飲料缶のフタの新規事業から早々に撤退する事態となり社員に頭を下げた。振り返ると、うまくいけば№1に肩を並べる案件で、先代社長に負けない経営者になりたいという邪な動機もあったと反省した。指針の「何のために経営をしているのか」明確な答えを模索中で、先輩経営者の「他人が喜んでくれるとうれしいが一人ではたいしたことはできない、会社は最も効率的な分業という仕組みの中で一人ではできないことをすることに意義があるのでは」の一言で目から鱗が落ちた。お客様が喜んでくれること、社員が目を輝かせて働いてくれることなら頑張れると真に思い、経営理念に落とし込んだ。理念の「缶の社会貢献を全面的に支援」によって、規格通りの製品づくりから関わる全てのことに意識が向くようになった。毎日部品の取り付け作業をする人は何よりラインが調子良く流れてほしいと思うことがわかり、調子よく流れない時には技術サービスが出向き対処するようになった。お客様の思いが明確にわかると本来の機能とは違うノウハウを品質の中に入れていき、ヒロハマでなければと思ってもらえるようになった。また、毎日缶を発注する人は、とにかく間に合わせて欲しいと思うことがわかった。ところが当時は月300件程の納期遅れがあった。非常に重要だとわかった時から改善して今では月1件程になった。
 経営戦略を計画に落とし込む段階では二度失敗、今は事業所毎に事業計画と利益計画を作り、各課の業務計画を更に細分化して係が週毎の課題に取組めるようになり、やっと進んだ感じだ。役割を果たす仕組みでやっていくことでコストダウンに繋がった。 
◆労使見解・主体的社員作り
 労使見解を初めて手にした時、もっと早くに出会っていればこんな苦労はしなかったのにと思った。それは、課長時代に二つの工場でパートの雇いやめをすることになった。言い渡しに同席しこんなに重たいものと知り、やってはいけないと思った。大阪工場では違法ストライキが発生し決着まで7年を費やした。経営者となって責任を悔いた。
 以前は、何でも自分で判断できるオールマイティーの社長を目指した。しかし同友会で学んで、そうではなく社員が自分で計画して達成する喜びや社員が成長する機会を奪ってはいけないと思うようになった。主体性重視の考え方で仕組みづくりを進め、①やらなければいけない仕事②給料③評価④教育の四つを連動させ、社員が何に対して努力をしなければいけないかわかるようにした。また将来どんな仕事で活躍したいかは面接する。もちろん主体的な社員作りをするには、経営指針からつながる役割を明確にする必要がある。役割がしっかり把握されると非常に誇りを持って働いてもらえる。社員が主体的な気持ちで成長できる仕事の与え方をこれからも考えていきたい。      
◆地域づくり、憲章・条例  
 憲章や条例制定の話をしながら、利益の大半を個人資産に組み入れていては世間が企業として評価してくれるだろうか?千葉県に中小企業振興基本条例ができ、これまで県の施策に傍観者的だった同友会会員の意識は180度変わった。今は我々次第で地域は変わっていくと感じている。行政側も同友会と関わり手ごたえを感じてもらえている。
 赤石義博氏(前中同協会長)が、同友会運動は生き方を問われる運動と気づいた時からおろそかにできなくなったと言ったがまさしくそうだと思う。また、吉田敬一氏(駒沢大学教授)は、これまでは豊かな社会をめざした、これからは幸せな社会をどうやって創っていくかだ、その先頭にたつのは同友会ではないかと提起されている。厳しい幕開けだからこそ同友会で勉強し活動することに意義がある、石川同友会の皆様とも一緒に取組んでいきたい。

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