【16.10.18】金沢中央支部10月例会
時代に沿った業態変革を考える
報告者 乙丸屋 久兵衛 会員
乙丸寝具㈱ 代表取締役
乙丸寝具は江戸時代創業で、私はその十二代目です。元々は武士の裃を作る呉服店でしたが、明治期半ばに七代目が綿布団の製造・小売りを始めたと記録が残っています。昭和三十年代に入ってから化繊の布団が登場し、羽毛布団の輸入が始まるなど環境変化も手伝って、綿布団製造の需要は減退しました。代わりに宝飾品の販売も手がけ、昭和六十三年には現在の本社がある有松に海外ブランドの軽寝具店を開店するなど、小売りに比重を置くようにしましたが、売上が上向いても利益率が下降し、平成十三年に私の伯父である十代目社長は突然失踪しました。
専務だった父が十一代目となり、平成十九年には私と妻も入社しました。しかし、昔ながらの直接対面販売の難しさを痛感しました。そこで、知己のコンサルタントから、個別少量販売で成功したお米屋さんを事例に専門店のあり方を助言していただき、お客様一人ひとりに合わせた寝具を販売するオーダーメイドシステムを七年前に導入しました。特にオーダー枕は好評で、眠りに悩みを持つお客様の役に立ち、信頼関係を築けていると実感しています。 (発表要約)