【08.07.25】DOYU石川シリーズ「元気企業訪問」(株)エム.ビデオプロダクション(15)
エンディングビデオで市場創出
最近、結婚式で「エンディングビデオ」なる演出が人気を集めている。披露宴の締めくくり、新郎の挨拶が終わり、二人が退場すると同時に会場は暗転し、巨大なスクリーンに映像が映し出される。そこにはわずか三十分ほど前の二人の映像がプロモーションビデオのように美しく編集されて流れ、披露宴の列席者の名前が映像の上をロールしていく。わずかな時間で極めてクオリティの高い映像が作られていることで、見る者に大きなサプライズと感動を与える演出である。この演出を創り、世に送り出したのが同社だ。
同社は、結婚式のDVD制作をはじめ、各種プロモーションビデオ、CMまで映像制作を専門にしている。エンディングビデオは、同社が二〇〇一年に結婚情報誌「ゼクシィ」に広告を出したことで、日本全国に広がり、わずか数年で何百億円という市場を創り出した。二〇〇六年石川同友会主催で開催した中同協全国総会でも同社制作のエンディングビデオが総会のフィナーレを飾ったことは記憶に新しい。
当初は制作の難しさから他社では作れず、その優位性から年々契約結婚式場の数を増やした。二〇〇三年三月期から前二〇〇八年三月期までの五期で、平均年率二〇%の売上成長を遂げ、前期は売上高経常利益率も二〇%越えを達成した。しかし、売上や利益、企業規模の拡大にはこだわっておらず、全てのお客様に感動を与える事を唯一の目標として掲げている。想像をはるかに超える、想像すらできないような映像作りでお客様を感動させる。お客様の笑顔が何よりも従業員のモチベーションやスキルアップにつながるからだ。最近は売上の伸びに会社のシステムがついていかずミスも多くなったという。このためマニュアル整備や社員教育といった会社の基盤整備にも必死で取り組んでいる最中だ。
たとえ小さくても「お客様に全幅の信頼と想像を超えた感動を与えられる」、そんな会社を目指している。