企業訪問

【09.12.25】新春レポート「郊外大型店進出から一年」

知恵を出し合い地域で頼られる企業へ

イオンかほくショッピングセンターが一周年を迎えた周辺地域の企業の現状や変化、今後の展開など、地域との関わりを視点に取材した。
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取材者:森川章 広報・情報化委員
    ㈲A merry mood 社長
取材先:高倉明 会員
    ㈱高倉製菓 社長
取材先:室島満 会員
    ㈱室島精工 専務
取材先:河原直樹 会員
    河原建具店 副代表
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森川 高倉会員はイオンかほくに出店しているそうですが、その経緯と現状はどうですか。
◆地域の売上確保のため出店
高倉 オープン当初は、出店は考えず、イオン近郊にロードサイト店を考えていたが、結果的に他店の進出もなく、イオン内に出店しました。これは、現在出店している店舗の売り上げの低下が予想され、売り上げを前年対比で保つために出店せざる得ない状況が予想されたから。現状は、予想したとおり、本店、アルプラザ津幡店の売上は、前年対比八割になり、かほく市地域の売上を確保するために、イオンに出店するしかなかったと思っています。
森川 郊外大型店が乱立している状況が、与える影響は大きいのでしょうか?
高倉 大きいと思います。景気が落ち込んでいるところに、パイをくじりあっているのが現状でしょうから、河北郡市で人口十万人程度、その中に、アルプラザ津幡、内灘イオン、かほくイオンなど、出店が相次いでいる状態で、各店、売り上げ見込みを下回っているのが現状だと思います。
森川 その現状の中、出店に対してメリットはあったのでしょうか?また今後の展開はどう考えていますか?
◆状況を生かして知恵を出す
高倉 売り上げを保つことは勿論ですが、獲得ユーザーは増えたと思います。かほく市の顧客確保には繋がっています。イオンの来店数は増えています。また、一年の動向は見ることが出来たので、顧客確保のため、新商品などでアピールしたり、地元に馴染みのある食材を使った和菓子を提供していこうと考えています。多くの人が来店している状況を生かせるように智恵を出すことです。
森川 郊外大型店の進出で、中小企業はどう取り組むべきなのか考えさせられました。次にかほく市に会社を構えている室島会員に、地域と大型マーケット店について話を聞いた。
 かほくイオンが一周年を迎えて、かほく市の地域産業はどう変わったでしょうか?
◆地域と密接な関係を
室島 かほくイオンは、近隣なのでユーザーとして行きますが、地域産業とのタイアップなどはあまり出来ていないと思います。現状は厳しく、商業関連の中小企業に影響を与えているのが現状でしょう。しかし、大手には大手のやり方、中小企業には中小企業のやり方があると思います。
森川 中小企業が行うべきやり方とは何だと考えますか?
室島 この不景気の中、とても難しいことだと思うのですが、地域に愛され、頼られる企業は、必ず必要で、また頑張っている方々もいます。そんな中小企業が地域を活性化させていると思います。人と人との付き合いというか、心が大事なように思います。我が社の直接ユーザーは地域ではありませんが、社訓や会社の存在を考えると、地域との関係は、密接でなければならないと考えています。
森川 地域に根づく中小企業、それが私達に求められ、そして、そのことで地域が活性化することを考えさせられました。次に、津幡町に会社がある河原会員に、河北郡市の変化の中、経営者として何を取り組むべきなのかお聞きしました。
 中小企業が地域に頼られ、地域を活性化させるために何に取り組むべきだと思いますか。
◆人・企業・行政とつながり
河原 建築関係は大変苦しい状況ですが、そんな中でも地域に頼られている企業は沢山あります。そんな企業は何を考え取り組んでいるかですよね。中小企業が取り組むべきことは何か?また、中小企業だからこそ出来ることは何か?正直、毎日自問自答ですよ。大手が嫌がること、また、大手には手が届かないこと、これが一つの鍵だと思います。それは、地域にあるようにも感じていています。
森川 地域にとって何が大切で、何が地域の活性化に繋がっていくのでしょうか?
◆憲章・条例で地域活性化
河原 地域には住民がいて、住民に求められるからこそ企業があり、企業がよりよい経営に取り組むからこそ自主的、平和的な繁栄が出来ると思います。やはり人だと思います!人との付き合いが大切だと思います。その時に自分自身の思いは勿論、会社としての経営指針が重要なのではないでしょうか!つながりの中には人だけでなく企業間、企業と行政も大切だと思います。
 また、中小企業の役割を明確に、正当に評価することが大切だと思いますし、中小企業憲章制定には大いに期待しています。そのためにも地域経済の活性化を促す中小企業振興基本条例を今後、多くの行政で制定してほしいと思っています。
森川 中小企業振興基本条例が多くの行政で取り上げられるためにも、私達から頑張らなければならないですね。
河原 そう思います。せっかく同友会で多くの経営者に触れ、学ぶべきことが多い中で、異業種間を越え、智恵を出し合い中小企業だからこそ出来ることを考えるべきだと思います。
森川 今回、この取材を通して、自分自身がやるべきことを、今一度気づかされた。同友会には、経営指針講座や、多くの会員との意見交流が出来る場がある。自社の自主創造の道を切り拓くためにも、信頼される経営者になるためにも、経営指針をベースに、逆境こそ飛躍の原動力として強い姿勢で臨まなければいけないと感じた。

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