【12.07.01】がんばる社長(12)
ケービーエフ㈱ 東 克也 社長
「古都金沢カレー」で地域に貢献
大手が嫌がる仕事を率先する
「カレーで、地域貢献したい」そう話すのは、2011年8月10日にケービーエフ(株)を起業した東会員。もともとは板前という経歴を持つ。前職は、個人・法人をターゲットにした食材の宅配業をしていた。県外の企業家が仕掛けようとしていたカレー店舗出店計画があり、相談に乗ったことが、起業を目指す第一歩になった。その後、カレーに対してのノウハウが構築され、B級グルメブームで「金沢カレー」がマスコミでもとり上げられる機会が増え知名度が高まってきたことから、起業を意識し始めた。だが当時、約18年間会社に勤めていたこともあり、なかなか踏み出せなかった。更に、営業所自体の成績が以前から右肩下がりになっていたこともあり、「起業するなら右肩上がりにしてから辞めよう、そうすれば自分の自信にも繋がるから」と決意を固めていた。約1年間必死に仕事をして、営業所の利益が安定した2011年3月に円満退社。同友会入会は、サラリーマン時代にオブザーバーとして出席したのがきっかけで、非常に感銘を受け、起業後すぐに入会した。
事業の柱は二つあり、一つは、福祉に特化した調理等の請負・委託。もう一つは、自社オリジナルレトルトカレー『古都金沢カレー』の販売である。『古都金沢カレー』は、色が黒く濃厚でどろっとした金沢カレーの特徴を忠実に再現し、半年間、試作を繰り返してようやく完成した拘りの逸品。パッケージの中には金沢市の観光MAPも封入し、観光に来られた県外の方が、購入した思い出として残し、また石川県に来ていただくことを目的に作成した。県外からの観光客をターゲットに、地域に貢献できる企業を目指していきたい。希望小売価格は一箱(180グラム入り二袋)860円。現在、金沢駅構内のハートインやふれあい館、小松空港や能登空港におみやげ品として販売されている。
商売は発想の転換だ。売上重視ではなく、利益重視に考えている。利益を確保するための対策は万全にしておくことが重要。大手が手を出せない薄利な請負・委託業務等、利益確保が難しいビジネスをまずは自社が率先し、活かすことでチャンスになると考えている。人が嫌がる仕事を請け、利益体質を確保し仕事をこなしていきたいと話した。