【14.11.01】「TakeOff!」~未来へ向かう羅針盤~(8)
(株)河内物産 代表取締役社長 河内 勇二 会員
「鶏肉飼育農場創設」感謝される会社へ
「北陸三県で鶏肉処理場といえば、ウチ(河内物産)しかないが、石川県で事業していながら石川県産という地元の鶏肉が出せないのです」と話す河内会員。詳しく聞いてみると鶏肉を飼育しているのは、福井と兵庫の二県だけ。今、「地元の鶏肉を作って欲しい、地元の鶏肉が食べたい」と食品関連会社からの要望が強い。そのため構想から四年、地元の鶏肉飼育農場を作ることにした(予定地が表紙右下写真)。
社長に就任して五年。それまでも前社長や兄弟の関係など幾つかのハードルをクリアして就任した。当時の思い描く社長業とは業務全般を先陣でがむしゃらにこなすプレイヤーのイメージだった。なので、重要顧客は自分が担当し、仕入もこなし配達もした。しかし何かが違った。社員は何故ついてこない、何故理解してくれないという思いばかりが先行していた。ある時、社内から反発がでた。「社長が社員と同じ事をしていたら困る」「これから会社をどうしていきたいのか?」など。当時は経営理念は形だけは作ってみたものの方針も無ければ計画も無い。社長自身の業務もルーチンワークが主だったため、周りの環境によって考えや指示が変わる。そこに携わる社員から見ると反発したくなるのは当然の結果だった。これからどうしていきたいのか?この問いには、当時理念や方針が無くても共通する想いがあった。それは「地元石川県産の鶏肉を作って地元から喜ばれる会社となろう」今までも何気ない会話で話しながらもどこかで出来ない理由を盾に覚悟を決められない自分がいた。でも「やろう、絶対にやりぬく」と幹部社員に宣言した瞬間から互いの距離感がぐっと近づいたことは今でも覚えている。そんな時に、同友会からの誘いがあり経営指針講座の話を聞いたので、入会を決めてすぐに経営指針講座を受講した。色んな方からアドバイスを受け、自社の経営理念を作ることが出来た。大事な事はアウトプットなので、これからも経営指針はバージョンアップさせていくつもりだ。
今年六月に経営発表会を全社員向けに行った。社員一人一人が会社からどういう役割で何を期待されているのかを明確にしていくことが本来の社長業だと今更ながら感じた。経営指針を作成中から社内での言葉遣いも変わり、社員と理解し合えるよう努力をするようになった。今後は経営指針に更なる魂を入れて、社員に喜ばれ、関係企業からも感謝される企業を目指したい。