企業訪問

【14.10.01】「TakeOff!」~未来へ向かう羅針盤~(7)

㈱長坂組 専務取締役 長坂 慎太郎 会員

  いいがになった!」と言われる仕事を
明文化は自らの羅針盤、社員と共有化へ


 三十九歳の若さではあるが会員歴は長く十年を超える。
 指針は社員一同、共に学び、共に成長する始まりである。受講の動機は指針作成をしていないにもかかわらず助言者として参加したときに受講者の真剣さに触れ、指針を作っていないことが恥ずかしくなり次の年に申込みをしたことだ。
 長坂組は祖父が創業で、大工工事業、型枠工事業が主な仕事であった昭和三十年・四十年代は数多く官民の工事があり、多くの職人に支えられた時代であった。そこから脈々と引き継がれた職人気質が今に至り長坂組の施工能力、特にコンクリートの建造物を得意とする原点である。  
 父の代(二代目)になって時代の移り変わりを見据え建築業も始めたが、その建築部門は会社の主力として成長していった。
 しかし、建築業界を取り巻く環境は近年厳しいものがあり旧態依然とした考え方では時代に取り残されてしまうと感じている。今はその風土を徐々に変える努力をしている。
 社員のほとんどが年上で、自身が子供の時から勤めている社員も多い中、新しい試みを起こすことにも多々気を配る場面も多い。
 そんな環境もあって、受講して二年、未だ経営指針は未発表である。今の立場では考えを押し付けるのではなく、きっかけを与えて社員自らの気づきを促すような働きかけを心掛けている。経営指針講座を受講して、改めて会社や社員、関わる人たち、そして自分を見つめ直し、まだまだ勉強不足であることをひどく痛感した。
 しかし、自分の思いを明文化したことで迷ったときに読み返すと、考えにブレがないか、この方向であっていたか、修正は必要でないか?と、今は自分の羅針盤として重要な物になっている。座って考えるのは性分ではない、常に行動が伴ったスタンスで何事にも柔軟に取り組んで挑戦していきたい。そして徐々に自分の羅針盤を社員一同の共有の羅針盤に仕上げていきたい。
 最後に会員の根底にある大切な思いを語ってくれた。?仕事の大小に関係なく、お客様の求める「想い」に最大限に応えよう!その為にも応えられる力を養おう!全ては「いいがになったね」と言われる為に!?と力強い言葉で締めくくられた取材であった。

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