【15.08.01】「同友会の学びを活かして」(3)
学びを実践して出来たことは2つ
㈲橋本写真館 専務取締役
橋本 高志 会員
八年前に松永会員に勧められ同友会に入会、四年前に例会で報告した。「一〇〇年企業を目指す経営者」という壮大なタイトルとは裏腹に内容は稚拙で、宗守会員からは「メモする事柄もない内容」と言われる有り様だった。しかし、報告の際に「一〇〇年企業を目指しているが、バトンを渡す相手がいない」と語った結果、会員から嫁の紹介、結婚、現在四代目の誕生に至った。報告は自分にとって節目となり、同友会と仲間の存在に感謝している。
後継者という立場で、同友会の学びを活かして出来た事を振り返って見ると、自分の未熟さと至らなさばかりが思いつく。スタジオでの記念写真撮影の分野を発展させたいと思い、そのためには覚悟と計画があった方が良いだろうと考え、経営指針成文化講座を受講し、後継者という立場で発表した。計画では、七五三の衣装の購入や美容師の雇用、販売促進の方法や予算等を入れ、実行に移したが、顧客は少々増えた程度で大きな成果は得られなかった。その後五年程経過する中でも様々な試みをし、昨年はリフォームで第二スタジオも作ったが、現時点では芳しい成果は出ていない。しかし、今後も挑戦を続け、記念写真撮影の分野も成功させたいと考えている。
経営指針講座での学びから決算書をスタッフに公開し、一定額の黒字が出た際には、一人五万円の寸志を出すようにした。これが出来たことの一つだ。当社は創業して七十六年、ほとんど赤字になったことがなく危機感がない。だからこそ、定期的に決算書をスタッフに公開する習慣をつけることが大事ではないかと考えている。
四年前の経営指針書で、「ネット販売スナップの開始と発展」を計画に盛り込んだ。たくさん撮影しても卒業アルバムにはほんの一部の写真しか使えず、それならネットで思い出を販売しようと、インフラが整ったことから、業界でいち早く試みた。当時は目標には到底至らなかったが、現在は年間で一万二千人が閲覧し、のべ四千三百人から購入していただいている。
今でも、後継者の立場で経営指針を発表したことが良かったのか疑問がある。出来たことも二つしかないが、お客様の喜びの声は嬉しいし、スタッフとの危機感の共有は大事だと思っている。今は未熟ゆえに、足掻いているだけの日々が続いているという思いだ。