【17.03.01】次代を担う 次代を託す(9)
トップダウンから考える経営に
川島 鉄平 会員 ウエルド㈱ 代表取締役
訪問するとビックリするほど大きなワンフロアの事務所。パーテーション一つ無いフロアを見渡すその右奥で川島会員が出迎えてくれました。経営者が理想とするオフィスは大きなワンフロアで全社員が見渡せることと言われます。それを絵に描いたような事務所でした。なぜこのような理想の事務所にしたのかと聞くと、以前の事務所が細長く狭い事務所であったため、現会長の思いで建てたとのことでした。
川島会員は社長に就任して今年で四年目を迎えます。社会人としての経歴は、最初は配置薬の営業、次はweb関係の仕事、その後ウエルドに入社しました。父親である会長は進路に対して何も言わず、「色んな経験を積めばいい」とう考えを持っていました。会長が六十六歳の時に「ワシが元気なうちに承継する」という意向で社長に就任しました。
会長の経営姿勢は全てがトップダウンでブレーンも作らず、二代目とはいえ、ほとんど創業者だと感じました。そんな強烈な会長のやり方を転換するのは容易ではありません。以前は、社員が考えなくても上から指示が下りてくるので、動くだけでよかったのですが、それでは人が育ちません。まずは、考えてもらう環境をつくることから着手しています。そして、人生の半分以上の時間を仕事に費やすのだから、楽しめる環境を作って、社員に幸せになってもらいたいと思っています。そのためには、つらい仕事があっても、その仕事が自分を成長させてくれて次のステップに上がっていき、それがやりがいになり楽しみになる。そんな経営を目指したいと思っています。そう思うと、会長は自分のためにうまくレールを引いてくれたと感謝しています。
先日参加した同友会の二〇一七年度役員研修会で、加藤明彦中同協副会長(愛知同友会)の話を拝聴し、自分が経験していることと同じことが起こっていると感じました。同友会に入会した当時は、あまり魅力を感じていなかったのですが、いろんな会議に参加して社員との係り方など、学ぶことがたくさんあります。最近は同友会に参加することが楽しい時間でもあり、いい機会を与えてもらったと思っています。今後は学びを実践して、自社の強みを更にパワーアップさせ、成長したいと考えています。