【17.06.01】経営指針実践(2)
3度目の正直でたどり着いた経営理念
ノムラ合成? 代表取締役 野村 昭夫 会員
■指針講座受講は 過去3度
野村会員は二〇一四年度に第八期の指針講座を受講しました。それ以前にも二度、年間を通した指針講座を受けており、「経営者として得られる学びが多い」と参加のメリットを強調します。
ところが、野村会員はまだ、経営指針の実践活用には至っていません。「理念」「方針」「計画」が経営指針の基本骨格となっている中で、「計画」を固めきれていないのです。
バス、トラックなど大型車両のエンジン用断熱材の加工を主とする事業は受注型の色合いが濃く、数字的な目標設定や経営計画の社員への落とし込みがしづらい面を野村会員は理由として挙げ、さらに「経営指針の実践にふさわしい社内組織がまだできていなかった。八期の受講直後、時期尚早を感じ、幹部社員づくり、組織づくりに注力してきた」と語ります。
■経営理念まだ公表せず
また、指針講座で成文化した経営理念、経営方針も社内で公表せず、折を見ては文面に手を入れ続けています。
私たちは共に働き、働きを価値に変え健康で安心の未来に貢献します。
現状はこのようにシンプルなものになっており、「従業員が安心して働ける場をつくることに傾いています」と野村会員。高齢者や子育て中の女性の雇用なども念頭に、従業員の働き方を強く意識しています。
■今秋、新工場建設予定
従業員側からも公開を望む声があるそうですが、野村会員は拙速に走らず、あるタイミングを計っています。今年秋に新工場を現工場の裏手に新築する計画で、完成を節目に経営理念の公表を含めた経営指針の実践に移る予定です。まだ設計段階ですが、新工場には憩いの機能も付加する計画で、職場環境の向上を従業員は楽しみにしています。
「断熱材加工は工程の大部分が手仕事。人がいるから付加価値を生み出せます。人間性を中心にした経営理念の実践で社員が育ち、現在手がけている車両、住宅分野以外の新市場開拓につながればうれしいですね」。
野村会員の経営者としての思いをより強く反映したノムラ合成の新たな成長ステージが、満を持して始まりそうです。