【18.07.01】クローズアップ会員企業紹介(11)
価値観を共有し働き甲斐のある会社へ
有限会社 三吉商店
代表取締役 石橋 隆太郎 会員
1956年に祖父が、当時最先端の技法だった水耕栽培で育つもやしの製造を、地元の業者と共同経営で始めました。父親は1972年から経営に参画し1991年に会社を今の場所に移転し、(有)三吉商店として法人化しました。当時北陸3県で27件あったもやし製造会社も今では北陸では当社1件だけになりました。全国的にも後継者不足などで今では120社程しかありません。もやしは、野菜で唯一消費期限が記載されている商品です。なので出荷後3日しかもたないもやしを、近くで作り近くで消費する(地産地消)。そしてどれだけお客様のニーズに対して融通を利かせるかが我々の付加価値になります。なのでスーパーなどの小売店さんが、午後から商品が売り切れたからすぐに欲しいと言われても商品がすぐに用意でき、かつ会社が市内の交通の便の良い所なのですぐに取りに来れる事も弊社の強みです。
石橋会員が入社したのは大学3回生だった平成18年、当時社長だった父親が玉鉾に開店した「まいどおおきに金沢玉鉾食堂」を開店させる時です。オープン前に店長候補が3人も辞退してしまい、誰もいなくなりいよいよ息子しかいないという状況で店長として入店。夜中まで翌日の仕入れをして朝、電車で大阪まで授業を受けに通学と、大学生と店長の二足のわらじでお店を切盛りし、1年休学をしたが無事卒業することができました。その後、新しく店長を育て三吉商店に入社。父親が典型的なワンマン社長で、具体的な仕事の指示がなく、自分の居場所がわからない中、何もすることなく過ごしていました。すると社員との距離を感じながらもゴルフや飲み会に繰り出す始末。やがて社員から次期社長として何をしているのかと苦言を言う人が現れます。ここから次期社長としての自覚が
生まれ、同友会に入会します。そこで経営指針講座を受け、経営者として目覚めることになりました。
社長になって2年目ですが、社内改革ならびに社員教育に力を入れています。今では同友会を含め他の経営講座を受講し経営者としての研修を追求、三位一体論「社長力」「管理力」「現場力」を実践しています。社員の人間力を鍛えることが社員の真の幸せと考え、幹部社員には人生目標設定を書
いてもらっています。社員に命じているのは「報・連・相・提」の4つ。常に立場を意識し、自分の意見を提案できない限りリーダーになれない。そんな思いで経営をしています。まだまだ経営者として学ばなければいけないことはたくさんありますが、社員と価値観を共有して働き甲斐のある会社を目指していこうと考えています。