企業訪問

【18.11.01】クローズアップ会員企業紹介(15)

伝統を守り新たな魅力を発信

 \; 有限会社 白崎シーサイドホテル 多田屋
代表取締役社長 多田健太郎 会員

 多田会員は平成27年秋、39歳の時に明治18年創業で130年の歴史ある旅館“多田屋”の6代目として事業承継しました。
 子供の頃より「いずれ旅館を継ぐのだな」と漠然と思っていましたが、その前に自分のやりたいことを見つけたいと東京の大学卒業後は実家に戻らず、アメリカに留学してインテリアを学び、帰国後もIT関係の企業に就職しました。26歳で多田屋に入社し、営業マンとして大阪と東京で修行し29歳で地元に戻りました。
 当時の多田屋は老舗企業にありがちなファミリー経営で、社員に依存し各部署がバラバラな状態でした。多田会員はまず経営者とスタッフの信頼関係を作っていく必要があると感じ、布団敷きや館内の清掃、フロント業務などスタッフと一緒に働く時間を作るよう心がけました。
 社長は渉外交渉、多田会員は旅館の運営を担う体制が整いつつある時に、東日本大震災が発生し、その影響で客足が遠のき、追い打ちを掛けるように料理長をはじめとして料理人の一斉退職が発生するなどの最大試練が訪れます。
 同友会に入会して日が浅かった多田会員は、同友会で学んだ「信頼される経営者をめざす」「よい経営環境をつくろう」を肝に命じて、あらゆる問題に正面からぶつかり活路を見出します。
 料理長の交代についても多田屋を変えるチャンスと捉え、自分に共鳴してくれる料理長を根気強く探して見つけ出します。その努力が実り新料理長の手による洗練されたおもてなし料理が評判を高め売上げを伸ばす要因となりました。
 多田屋は和倉温泉の温泉街から少し離れた場所にひっそりと佇む「隠れ家的な宿」として人気があります。これは、三代目女将(旧佐賀藩鍋島家の令嬢)の悲願であった「都会の喧噪を忘れさせる絶景の宿」を実現させたもので、能登の静穏な海を一望できて、暮れなずむ頃にはここでしか体験出来
ない夕景と格別な時を堪能することが出来ます。
 多田会員は「この立地の良さや伝統に頼るだけでは、継続的な経営は難しい」と言い切ります。また、「『老舗多田屋はいつも新しい』を目標として、伝統を守り受け継ぐだけでなく、時代の移り変わりやニーズを的確にキャッチして新しいことにチャレンジし、新たな魅力を発信していくことが伝統を次の世代に繋げることになる」と言います。
 今後も133年続く伝統を大切にしながら、能登の魅力でお客様に特別な時間を提供し、地域にも貢献する宿として、家族とスタッフと共に歩み続けます。

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