企業訪問

【19.02.01】事業承継(32)

家族や社員を第一に考える経営者に

 \; 株式会社ラン 代表取締役 舛田 金隆 会員 

 農業短大を卒業後、夢と希望を抱き農業に従事することを決意しました。その後、減反政策や米価の下落により、兼業農家となりました。しかし、会社に迷惑をかけることが多くなり、自分で商売ができないかと悩んでいると、これからはビルの設備メンテナンスが伸びると聞き、当時ではまだ珍しかったコンピューターによるビルの管理システムを取り入れ、平成元年に(株)ランを設立しました。
 現場の仕事に追われる日々が続き、設立5年目頃から資金繰りが苦しくなります。同時期、バブル崩壊に直面、次々とホテルやゴルフ場の倒産、撤退で物件が減少しました。誰もまだ手掛けていない仕事を模索し、GHP空調のメンテナンスを始め、ホテル、レストラン、フランチャイズ店、コンビニエンスストアの厨房機器のメンテナンスも行い、何とか経営は安定しました。
 60歳の頃、元請会社から「後継者がまだ決まっていないのなら将来引き受けてもいいよ」と言われ、ショックを受けました。しかし冷静に考えると、周囲の8割は世代交代をしており、既に長老の仲間入りをしている自分に気づきました。そして、早目に後継者を決めておけば社員も安心し、お客様との引き継ぎもスムーズにできると考え始めました。
 そんな頃、福井で勤めていた長男が、将来のことを考え仕事を辞めて帰ってきました。異業種からの転身で、資格を取得し本気で取り組んでくれました。今はまだ入社2年ですが、5年後の自身が70歳前には世代交代したいと考えています。それまでに同友会で経営の勉強をしてもらい、自社のノウハウをしっかり伝えたいと思います。
 同友会に入会して23年、よい人間関係がよい会社をつくり、お客様との信頼関係に繋がることを学びました。どんな仕事も一生懸命やり遂げると満足感があり、お客様からの「助かった、ありがとう」の一声で充実感を得ることができます。後継者には幾度もそんな経験をして、よりよい人脈を
作って欲しいです。また、失敗を恐れず新しい事業にも挑戦し、成功体験を積み重ね自信に繋げていくことを望んでいます。事業承継は社員の理解や責任など、舵取りとなる後継者自身が全てをクリアしないといけません。自社の強みや弱み、価値について考え、何よりも家族や社員を第一に考える
経営者となるよう、これから承継に臨みたいと思います。

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