【22.01.01】事業承継(66)
社員の幸せが一番
株式会社サンエス
代表取締役社長 塚本 豊 会員
同社は住宅建材から自社職人による施工、住空間の企画提案など住空間に関わるもの全てにおいて新しい住宅ニーズを提供しています。各部門の社員はそれぞれのセクションで最大限に自身の力を発揮できるよう社内コミュニケーションを大切に互いに切磋琢磨しています。
課題は経営と社員のモチベーションアップ
塚本会員は大阪出身で、高校時代は甲子園を目指し厳しい練習に毎日耐え、大学でも野球を続けるほど野球漬けの青春を送っていました。卒業後、大阪の大手建材メーカーに就職し金沢へ転勤となり、その時の担当が同社という縁があり現在に至ります。転職時は営業に邁進し売上を伸ばしていましたが、社員間のコミュニケーション不足などの社内環境に課題を感じていました。その後、平成25年の社長就任時の課題は、経験のない会社経営と社員のモチベーションアップでした。
■新たな経営方針と社風づくり
新たな社風を作るため、今までトップダウンだった経営をボトムアップにする必要があると感じ、同友会に入会し経営指針講座を受け経営指針を策定し、社員一人一人が理解するまで丁寧に何度も説明しました。また、社員のモチベーションアップを図るため社名を社員から募集し変更しました。「サンエス」の由来は「社員の幸せ」「お客様の信頼」「会社の成長」この3つの言葉の「幸せのS」「信頼のS」「成長のS」から名付けられました。これが暗い雰囲気の社内が一変するきっかけとなりました。
■社員自ら利益を出す方法を考える
経営で大切にしていることは 「社員の幸せが一番」ということです。そのためには仕事にやりがいを感じてもらい、利益も出さなければいけません。社員には利益を出す目的を説明し、自分たちで利益を出す方法を考えています。今では、社員一人一人が利益を出さなければ経営が成り立たないことや、自分たちが幸せになれないことを認識しています。また、優秀な社員が育てば会社も成長し社員が幸せになれると考えているため、社員を育てることも大切にしています。
■社員と苦楽を共にすることが励みに
塚本会員は社長就任後、社員のために何でも思い切ってチャレンジし実行してきました。予算書を社員が作る方針にした時は、各部のリーダーと合宿を行い苦しい時間を共に過ごし、今では精度の高い予算書を作成できるまでになっています。社員と苦楽を共にすることが何よりの励みになっています。
塚本会員のチャレンジ精神と社員を大切にする考えに刺激と優しさを感じました。同社の進化にこれからも注目したいと思います。