【22.03.01】クローズアップ同友会型企業づくり(46)
地域運送会社として地域社会の発展に貢献
瀧の川運輸株式会社
専務取締役 瀧川 嘉明 会員(写真左)
■ISO取得、CSR活動に着手
同社は昭和37年瀧川商店を設立し、昭和51年に瀧の川運輸として法人化しました。重量物運送を専門に取り扱っており、特に長尺物運輸は同社の得意分野で様々な重量物の運輸実績があります。
瀧川会員はトラック製造会社での勤務を経て、平成17年に同社に入社。同社の礎である「安全にそして確実に」を強化するため、いち早く「安全優良事業者マーク」を取得しました。また経営改革では当時の運輸業では先駆けとなる「ISO9001」を平成17年に取得。目的は環境に配慮した高品質なサービスをより安全により確実に提供し、お客様の満足と社会の発展に貢献するためです。随時ISOの更新を行い、平成30年には「ISO9001(2015年版)」に移行しました。
現在はCSR活動(企業の社会的責任)を行い、お客様との信頼関係・安全の取り組み・企業情報の提示・環境対策・地域社会への貢献を方針に掲げました。従業員一丸となり地域運送会社としてCSR活動に取り組んでいます。
■地域と障害者を繋ぐ就労支援センター設立
新たな事業として「一般社団法人 ななお・なかのと就労支援センター」を令和元年に設立し、代表理事を務めています。きっかけは平成30年に七尾商工会議所のメンバーから「障害者の家族がいる、そんな人の力になれる活動ができないか」と相談を受けたことです。まずは障害のある人への理解を深めようと、当時親交があった木谷氏(写真右)に声をかけ、福祉事業所と一緒に勉強会やアンケートを実施。勉強会を重ねるうちに福祉事業所の課題や企業側の障害者雇用に対する思いが見えてきました。
そんな中、同社に商業施設の引っ越しの依頼がきます。最初は対応できないと断りの連絡をしましたが、「荷物を運ぶ仕事を障害のある人にも手伝ってもらえるかもしれない」と思いつき、福祉事業所と同社が互いに協力して段ボールの搬出をしました。いきいきと仕事をする姿に感動し、「障害のある人にもできる仕事はたくさんある」と実感。障害があるというだけで賃金が安い現状を変えるため、企業と交渉し最低賃金以上がもらえることで働く意欲にもつながると考えました。
■障害者の自立を支援
この経験を活かし、一つの福祉事業所だけでは受けられない仕事を複数の事業所で受ける窓口として同センターを立ち上げました。現在、七尾市・中能登町の提携している事業所数は10社で、依頼先の仕事に対して適任者の派遣ができ、また大きな仕事の依頼にも対応できるようになりました。立ち上げ当初に相談した木谷氏は、瀧川会員の取り組みに共感し、現在同センターの管理者として働いています。同センターが目指しているのは、障害がある人がいないと成り立たない社会、障害がある人の自立を支援し、将来に不安を感じずに生きていける地域を作っていくことです。