【22.03.01】事業承継(68)
地域密着型の生活 環境を目指して
社会保険労務士 山田事務所
代表 三井 敏彦 会員
8つ上に姉をもつ三井会員は、父が40歳のときに生まれました。自身がハタチの時に父親が還暦という年齢差です。まだ学生だった三井青年にとっては、働き続けることと年金を取得することの両立に悩む父の苦労の真意が分かりませんでした。そこで、父のことを理解したくて勉強しようと思ったことが社会保険労務士を志したきっかけです。
■先代からマナーや礼儀など徹底的に
資格試験に合格・卒業後、山田事務所に入所しましたが、先代(山田浩三先生)との父以上の年齢差(46歳)に戸惑いを感じます。先代からは業務自体を教わった記憶はほとんどなく、お客さんに対する接し方、マナーや礼儀を徹底的に叩き込まれました。『ミスそのもの』を叱られるのではなく、事後対応の悪さを叱られたことが印象に残っています。そのような体験を経て、人生の先輩に認められるようになったと感じます。
■先代が他界した時に承継を実感
先代の年齢もあり、30歳手前で代表になりましたが、本当の承継を実感したのは平成20年に先代が他界した時です。ショックの後に今後のクライアントさんと職員がついてきてくれるかという不安がのしかかってきました。朝起きた時は吐き気から始まり、電話は『(顧問契約の)解約かもしれない』という不安が半年くらい続いたのです。
まさにそんな最中、かねてより入会していた同友会の経営指針講座を自ら受講しました。そこで、会員の皆さんから頂く想いがこもった忌憚のない数々のご意見のおかげで、自分自身と向き合うことが出来、今後やるべきことが明確になってきました。
そして現在は、職員が働きやすい環境となり、クライアントは基盤の60社から100社に増加しました。
■20年後に事業承継
承継については「20年後(66歳)に会長になる」と紙に書いて宣言しています。会長になる頃には、たとえば食事に行くときは顧問先のレストラン、買い物をするのは顧問先のショップ…と、日常生活の全部が顧問先で成り立つような地域密着型の生活環境を思い描いています。