【22.04.01】クローズアップ同友会型企業づくり(47)
心がつながり合う会社を目指す
株式会社エスアールディー
取締役 鹿野 浩司 会員
同社はイベント総合プロデュースの株式会社サウンド・ソニック音響部より平成元年に独立した会社で、主にイベント・コンサートの音響映像業務や会館管理・放送局へのスタッフ派遣を行っています。
■ 取締役就任で同友会へ入会
関西出身の鹿野会員は音響の専門学校を卒業後、複数ある求人の中から同社に就職します。職人気質が高い業界、先輩の背中を見ながら技術を習得する毎日が始まり、いくつもの壁を乗り越えてきましたが、入社後10年ほどで役員と数名の先輩社員が退職、現場の切盛りを一人で対応していましたが逃げることばかり考えていた時期でした。その後入社した新役員の定年退職をきっかけに中堅社員であった鹿野会員が取締役に就任、経営のお手本もなく左右がわからない時期に同友会入会を勧められました。
■ イベント業に押し寄せたコロナの猛威
入会初年度、例会に参加するも知り合いの会員が一人もおらず誰とも話せない事を不甲斐なく思いました。まずは新顔であることを覚えてもらおうと必ず支部例会に出席、それをきっかけに現在に至るまでの例会参加率は100%、経営指針講座受講にも興味がありましたが、本業ならではのロックフェスや大型イベントが合宿の時期と重なり、受講のタイミングを検討していたころにコロナが蔓延し始めました。
2020年2月下旬、総理大臣から自粛要請が発表されると同時にイベント中止連絡が相次ぎ3月になります。学校が休校し始めると、ついに4月末までのイベントがほぼゼロになりました。見えないコロナとの戦いが始まり同社は2班に分けた交代勤務を実施、仕事が無いなかで倉庫整理や技術練習を行います。その状況下、オンラインの需要に注力し配信現場を設営するビジネス展開で、事業転換することなく自社事業を貫きました。経営が厳しいにも関わらず給与を工面してくれている社長と専務に大変感謝しています。
■例会ノートに綴られた幸せの言葉
例会に参加中、良質なブックカバーに収納したノートにメモを取る水上会員を見習い、例会の気づきをノートにまとめることが習慣になりました。そのノートに綴られていたのは織田会員の言葉「事業はあくまで手段、自分が思い描いた職種でなくても良い、人を幸せにするなら毎日小さな幸せを拾い上げ、幸せを結び付けること」。鹿野会員は例会ノートを見返しながら、社員同士が分け隔てなく心がつながり合う会社を目指したいと決意を語りました。