【23.06.15】クローズアップ「CONNECT DAY特集」(56)
同友会で「経営理念」の重要性を痛感
タマダ株式会社
代表取締役会長 玉田 善明 石川同友会相談役
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同友会の魅力を会内外に発信する、第2回CONNECT DAYが7月20日(木)に開催されるにあたり、玉田会員は例会の報告者として登壇します。
当日の報告内容へつながるプロローグとして、同友会での学びや実践を取材し、その一部を紹介します。
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■金沢から北陸、全国、ベトナムへと展開
創業は約70年前、玉田製作所というガソリン計量機を扱う事業から始まります。交通網の発展、自動車の急速な普及に支えられ、石炭から石油へのエネルギーシフトの時代を、施設・容器の面から支え、ガソリンスタンドの建設、メンテナンスを中心に事業の軸足をずらすことなく今日を迎えられたといいます。そして金沢から北陸へ、さらにSF二重殻タンクのトップメーカーとして北陸から全国へと展開し、2015年からはベトナムでのものづくりに挑戦する企業に成長しました。
■「労使見解」社員こそが会社の宝
1991年4月玉田会員が3代目社長に就任し、旧態依然とした経営からの脱却を図るため、さまざまな改革に着手します。その一つが経営理念の策定でした。同友会で県内の経営者との勉強会に参加することで、企業が目指す方向性や社会で果たすべき役割を明文化した経営理念の重要性を痛感させられたそうです。
玉田会員が定めた経営理念で従来の経営方針と大きく変わったのは「社員ファースト」の考えを明確に打ち出したこと。それから経営状況を社員にも知らせるように変え、月次決算なども迅速に情報開示するようにして、社員との一体感を第一に心がけたそうです。それは同友会で学んだ「労使見解」であり、幼少の頃から常時5、6人の大人が仕事をしているのを目の当たりにして育った環境から会得していた部分「人こそ会社そのものであり、社員こそが会社の宝である」という想いからきていると言います。
■時代に適応、変化しないと生きていけない
玉田会員が社長に就任した当時は50名弱の社員数でしたが現在は300名、関連会社12社を抱える会社になりました。ここまでの過程は決して順風満帆だったわけではなく、たくさんの失敗も苦労もしてきたと笑って話していました。しかしそんな時、力になってくれるのは社員であり仲間であったといいます。
現在、タマダ株式会社を取り巻く外部環境も変化が激しく、法律改正や、エネルギーが石油からエコエネルギーへとシフトする新たな時代へと変わっていく中、それに適応して変化しなければ生きていけない時代です。あらゆることにチャレンジする必要があり、社員の育成を始め、社会に必要とされる企業、つまり存在価値を常に磨き、社員すべてが仕事の意義、価値を理解し高める会社づくりが大切だと話しました。