【24.01.31】景況調査2023/10〜12月
◆全業種、資金繰りDIがやや改善
石川県中小企業家同友会 第48回景気動向基本調査結果(2023年10月〜2023年12月期調査)
調査期間12/25〜1/21 回答42社(建7社・製11社・卸小売8・サ16)/402社 (9.6%)
現在(10月〜12月)の経営状況は、(7月〜9月期と比べて)全業種で見ると、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は前回の20から△4.8へ、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)も17.1から△4.8へと大きく悪化しました。一方で資金繰りDI(「余裕」−「窮屈」)は△17.1から△11.9へとマイナス水準ながらやや改善しました。前回10月調査の見通し予測では売上高は経常利益、資金繰りともに悪化を予測していました。
10月〜12月の経営状況を業種別で見ると、建設業では売上高DI、経常利益DIともに40→△42.9に、資金繰りDIも20→△14.3に悪化しました。製造業は売上高DI50→0、経常利益DI33.3→△18.2と悪化し、資金繰りDIは△50→0と改善を示しました。卸小売業の売上高DIは△12.5→0とマイナスから脱却、経常利益DI0→△25と大きく悪化し、資金繰りDIも△12.5→△25と悪化しました。サービス業では、売上高はDI18.8→31.3、経常利益はDI12.5→31.3と改善、資金繰りはDI△18.8→△12.5とマイナス水準ながらもやや改善しました。
◆経営の見通しは全てのDIで悪化予測
経営の見通し(10月〜12月予測)は、売上高DIが14.3→4.8と悪化を予測。経常利益DI8.6→4.8、資金繰りDI3.0→△4.8、いずれも悪化を予測しました。
経営の見通しを業種別にみると、建設業の売上高DIは、40.0→0と悪化を予測、製造業も33.3→△9.1と悪化、卸小売業は12.5の横ばいのまま、サービス業は0→12.5と改善を予測しています。
経営の見通しの経常利益DIでは、建設業20.0→△14.3は悪化を予測、製造業16.7→9.1とやや悪化を予測しました。卸小売業は12.5のまま横ばい、サービス業は0→6.3と改善を予測しました。資金繰りDI(「余裕」−「窮屈」)は、建設業40→△14.3、建設業△33.3→△9.1、卸小売業0→△12.5と悪化を予測する一方で、サービス業では6.3の横ばいを予測しています。
◆販売客単価DI上昇で価格差縮まる
採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)は全業種で57.1→40.5と下降しました。販売単価・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)は、全業種で34.3→24.4となり、前回より下降しました。業種別では、建設業60→28.6、製造業50→△9.1、卸小売業37.5→42.9、サービス業18.8→37.5と卸小売業とサービス業で価格転嫁に進展があったことが予想されます。
仕入れ単価DI−販売客単価DIは22.8→16.1と価格差は前回よりも縮まりました。
生産・営業設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は、全業種でみると△20.0→△7.1と不足感はやや弱まりました。雇用状況DI(「過剰」−「不足」)は全業種で△31.4→△33.3と依然不足感が続いています。
◆人材育成が優先課題
現状での自社の最大の経営課題については、前回10月の調査では、売上高増加と収益構造改善が共に21%、次いで人材育成が17%でしたが、今回の調査では人材育成が22%、次いで売上高増加19%でした。雇用状況の不足感からか人材育成を課題としてとらえる企業が増えていると考えられます。
10〜12月期に課題解決のために試みたことなど自由意見として、「技術継承のために人材を増やしたが、人件費増加及び人材育成が課題となった(建設業)」「求人募集に費用がかかるが効果のほどはイマイチ(製造業)」「他部署からマンパワーを借りて対応していた(サービス業)」「効率化よる業務人数の削減(販売業)」といった人材不足解消や育成面での回答が見られました。また「価格転嫁しても賃上げに踏み切れないこと(サービス業)」といった回答もありました。