調査・見解・提言

【24.05.13】景況調査2024/1〜3月

◆資金繰りDIが改善するも、売上高・経常利益はさらに悪化

 \; 石川県中小企業家同友会 第49回景気動向基本調査結果(2024年1月〜2024年3月期調査)
調査期間3/13〜4/19 回答34社(建6社・製9社・卸小売9・サ10)/371社 (10%)


現在(1月〜3月)の経営状況は、(10月〜12月期と比べて)全業種で見ると、売上高DI(「増加」−「減少」割合)は1月調査の4.8から△2.9へ、経常利益DI(「増加」−「減少」割合)も△4.8から△14.7へと悪化しました。一方で資金繰りDI(「余裕」−「窮屈」)は△11.9から8.8へと大きく改善しました。前回1月調査の見通し予測では売上高、経常利益、資金繰りともに悪化を予測していました。

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1月〜3月の経営状況を業種別で見ると、建設業では売上高DI、経常利益DIともに△42.9→△16.7にマイナス数値ながらも改善、資金繰りDIも△14.3→0.0に改善しました。製造業は売上高DI、資金繰りDIともに0.0で横ばい、経常利益DI△18.2→△22.2と悪化しました。卸小売業の売上高DIは0.0→△11.1と悪化、経常利益DI△25→△11.1とやや改善し、資金繰りDIは△25→33.3と改善しました。サービス業では、売上高はDI31.3→10.0、経常利益もDI31.3→△10.0と大きく悪化し、資金繰りDIは△12.5→0.0とやや改善しました。

◆経営の見通しは全てのDIで改善予測 

 \; 経営の見通し(4月〜6月予測)は、売上高DIが4.8→14.7、経常利益DI4.8→8.8、資金繰りDI△4.8→2.9といずれも改善を予測しました。

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経営の見通しを業種別にみると、建設業の売上高DIは、0.0→0.0と横ばいを、製造業△9.1→0.0、サービス業12.5→50.0と改善を予測、卸小売業は12.5→0.0と悪化を予測しています。経常利益DIでは、建設業△14.3→16.7と改善を予測、製造業9.1→△11.1、卸小売業12.5→△11.1とともに悪化を予測しています。サービス業は6.3→40.0と大きく改善を予測しました。資金繰りDI(「余裕」−「窮屈」)は、建設業△14.3と横ばいを予測、製造業△9.1→0.0、卸小売業△12.5→△11.1とわずかながらに改善を予測、サービス業では6.3→30.0の大きな改善を予測しています。

◆仕入単価DI上昇で価格差広がる

採算面では、仕入単価DI(「上昇」−「下降」割合)は全業種で40.5→52.9と上昇しました。販売単価・客単価DI(「上昇」−「下降」割合)は、全業種で24.4→8.8と前回より下降しました。
仕入れ単価DI−販売客単価DIは16.1→44.1と価格差は広がりました。
生産・営業設備の過不足感DI(「過剰」−「不足」割合)は、全業種でみると△7.1→△14.7と不足感は強まりました。雇用状況DI(「過剰」−「不足」)は全業種で△33.3→△23.5とやや弱まったものの、依然不足感は続いています。

 \; 現状での自社の経営課題については、前回1月の調査と変わらず人材育成が22%と、育成が急務の課題としてとらえる企業が多い状況です。人材不足の影響もあって、雇用人員調整を課題とする企業も前回の12%→13%と僅かながら増えています。
1〜3月期に課題解決のために試みたことなどの自由意見として、「朝礼の改善(製造業)」「企業コンサルタントへの依頼(製造業)」といった回答が見られました。現状の限りある人材資源でいかに生産性を上げていくか、等の課題解決に向けた動きとも考えられます。

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