【08.06.16】同友アカデミー開校特別記念講演
経営者に求められるEQ(心の知能指数)
同友アカデミー(研修学部・経営学部・共育学部・教養学部)では六月十六日、ホテル金沢にて同友アカデミー開校特別記念講演を開催し五十名が参加した。冒頭、担当の金谷副代表理事(C・プランニング社長)が同友アカデミーの活動と経緯を説明し、学長の北潟克輔金城大学教授(石川同友会顧問)が『優れた経営者は心の知能指数(EQ)が高い』と題し講演した。以下講演要旨。
経営者に求められるのは頭の良さを表すIQより以上に「心の知能指数EQ」の方だ。EQはアメリカのダニエル・コールマンがハーバードビジネスに発表したもので、自分自身に関する「自己認識」「自己統制」「動機付け」と他者との関係を表す「共感」「ソーシャル・スキル」の五つの因子がある。「自己認識」は自身の長所短所を分析し良く知っていること。この能力に優れた人は組織を正確に評価する力が備わっている。「自己統制」は破壊的な衝動をコントロールする能力。自己統制の高い人は周囲に良い影響を与え、不正を防止する一面もある。「動機付け」がしっかりしている人は外的要因(地位、お金)に左右されず達成感を意欲の源にして情熱を持ち、組織への帰属意識が高い。「共感」は他者の感情構造を理解する能力で、リーダーシップが求められる仕事にとって重要な要素。「ソーシャル・スキル」は人間関係を処理する能力で、EQの因子の中で最も重要。この能力に優れた人は社員をうまくマネジメントすることができる。
今では業績向上の観点からEQは「経営者が必ず備えるべきもの」となった。EQの改善トレーニングは自ら真剣に変わろうと望む熱意と、訓練とフィードバックができる周囲の協力が必要である。