【09.09.25】金沢中央・金沢駅西合同9月例会
「社員が主役のマイカンパニーへ」
「21世紀型自立企業への挑戦」~社員の成長が我が社の土台~
報告者…近江 清 氏 ㈱フォー・シーズン・ズ 社長 富山同友会
8番ラーメンのフランチャイズ店を北陸で八店している。三十三年前に父がラーメン店をしていて、二年間金沢で修行をして父の会社に入社した。当時は金儲けをすること、父を超えることを目標にしていた。間もなく店の隣の敷地でカラオケ店を開業し、二号店、ケーキショップ、イタリアンレストランと事業を拡大した。つま先立ちの状態であることに気がつかなかった。
これまで経営の危機が三回あった。一度目は本店の店長が蒸発し、お母さんから「人間のやる商売じゃない」と罵倒された。精神的ダメージが大きく資金繰りも泥沼化した。そんなときに大学の先輩から東京のある会社を紹介され、「ありがとう」の言葉、人に感謝することを忘れていたことに気づいた。
二〇〇〇年に同友会に入り〇一年、凝りもせず高岡イオンショッピングセンターに海天すしを出店した。また資金繰りが悪化し、社員ミーティングで全員がレポートを出した。それには「私は空いた時間に窓拭きをします」「駐車場の清掃をします」など、自分達ができる範囲で精一杯のことが書かれていて、自分が何もやっていないことにショックを受けた。社員から給料を下げて下さいと申し出もあった。社員のメッセージが心に響いた。それから毎週ミーティングを開き、インセンティブコンテストを導入して、十ヶ月後に過去最高の売上を上げた。
同友会の経営指針勉強会に参加して自分本位の指針書を作った。翌年高岡駅裏にまた料亭を開業してしまった。利益が出ず、料理長が辞め、社員の一人がカセットコンロで自殺未遂を繰り返し、その子にかかりっきりになった。社員からは何をやっているのかと言われ、二年で閉店したが、九名の社員を失ってしまった。その時、二度とこんな会社は作らないと決め8番ラーメン以外は全て辞めた。残ったメンバーで建て直しを図り、社員を中心に意見を取り入れ、社員が主役のマイカンパニーにしょうと頑張っている。
同友会の「二十一世紀型自立企業」の中で、どんな時代でも自社の強みや独自性を発揮できる人財が育っていれば苦境を乗り越えられる、という内容が好きだ。苦しいときは社員と一緒に考えれば乗り越えるヒントがある。経営理念にあるホスピタリティーリーダーとはサービスを超える感動のこと。こんな気持ちで経営指針を深く掘り下げて確立していけば、世界平和にもつながると考えている。仕事を通じて社員にやりがい、生きがいを与え、未来に夢と希望のある会社を目指したい。