【10.08.06】社長と社員の共育塾②
社員と家族を守る ~困難から学ぶこと多い~
共育学部の社長と社員の共育塾②は八月六日、しいのき迎賓館で開催され、村木峰子会員(㈱ムラキ工業・社長)が「社員はパートナー」~全社一丸で乗り切る覚悟~と題し報告した。以下報告要旨。
平成十年四十七歳で夫である前社長が亡くなった。骨髄移植しかなかったが本人はしないことを決断した。そのための入院より生きて動ける二年間を選んだ。経営者として社員と家族を守ることを一番に考えていた。誇れる会社と社員を守るために私が後継を託された。社員に二、三ケ月の命と報告した後、一人ずつ呼んで話をしていた。それからの社員の頑張りには感謝だった。技術的なことが分からない自分に所要時間を一つ一つ図面に書いてくれたりと、いつも社員に助けられた。
リーマンショックで初めて大変な状態を経験した。でも社員からは、駐車場を借りるのを止めようと提案してくれたり、不良品を出した子が「賞与をありがとう」と言いに来たり、「給料を上げて大丈夫なのか」と心配して来てくれたりと、自分はこの子達にどう応えられるのかと考えていた。その頃例会で岩木さんから家族に手紙でその気持ちを伝えたらどうですかと言われ、すぐに行動した。社員と家族を守るのが私の仕事。この信頼を絶対に裏切ってはいけない。家庭が平和でなければ良い仕事ができるはずはない。自分の家庭の幸せを第一優先にしろと言っている。そのためにできることは何でもする。社員とはパートナーとして一緒に歩んでいこうと思う。動かない社員もいるが、今日より明日、一歩でも考えが変わるように声をかけ続ける。
社長になって十三年、前社長には人としても育てられた。言われる前に気がつく様になれと諭され、今何が大切なのかの判断力、困難なことから逃げない強い気持ちを教えられた。いいことからは学ぶことはない、困難から学ぶことは多い。次世代にも言い続けていきたい。