【10.08.17】北金沢・金沢中央合同8月例会
日本一ネットでフルオーダーシャツを売る店に
報告者 宮谷 隆之 会員(㈱金港堂 社長)
一九三二年ワイシャツ商として創業。縫製工場は分社化し、金沢で当店のシャツの縫製を担っている。
なぜネットショップを始めたか、郊外店の乱立等による商業環境の悪化などがあり、商店街や自店への集客が難しくなった。商店街や当店に人が来るようにするか、来ないものとして捉えるかを考え、ネットショップの構築の方向性を模索した。しかし生地に触れない、色も出来上がりイメージも分からない、販売単価も高いなどインターネットでの販売は難しいと考えていた。ただネットを使うならば独自性の強いものでないと難しいと判断し、紳士服というカテゴリーから更に専門性を持たせたオーダーシャツ専門店としてスタートした。ネット販売はこの時点では難しいと判断していたので、これを集客のツールとすべくSEO対策をし、またブログをブログランキングに登録し露出をはかった。結果的に北陸ブログランキング一位になり、他府県からの集客にも成功することができた。
その延長線でネットでオーダーシャツの販売は本当に不可能なのか?とも考え続け、既存に展開するサービスをどのように表現するかを考えた。自分の身体を計ってオーダーする方法、シャツを郵送してもらう方法などリピーターの対応も含めて六通りのオーダー方法を考え展開してみた。またホームページ上の掲示板で「シャツオーダーへの挑戦」というのを見つけ、日本には生地を触らなくてもブランドで生地のクオリティを判断できるシャツに詳しいユーザーが沢山いることを知り、扱う生地をホームページ上で沢山閲覧できるようにした。それ以来急に注文を頂けるようになった。ネット販売して分かったことは、売れないのではなく、売れないと思っているだけであった。他社のサイトを徹底分析し違いを明確にし、高価格帯を狙う戦略があたった。
リアルな市場は縮小傾向にあるが、バーチャルな市場は拡大している、ホームページ、ブログ、ツイッターやメルマガを通じて質の良い、そしてお客様の趣向性にあった情報提供がなされれば売上は上がる。当社では約五年ほど前から徐々にオーダーシャツの売上がその当時と比べ五〇%伸びた。
今後は更に充実したデザインのラインナップを増やし、日本一のインターネットでフルオーダーのシャツを売る店になりたい。また「金沢シャツ」というようなブランドを確立し、今後の展開につなげていきたい。