委員会活動

【11.11.18】経営者フォーラム

第26回経営者フォーラム記念講演

  これからの時代を生き残る価値ある企業づくり
講師:法政大学大学院 坂本光司 教授

「他人の幸せを願い人本主義を貫く」


 第26回経営者フォーラムを11月18日、ホテル日航金沢で開催、
法政大学大学院・坂本光司教授が「これからの時代を生き残る価値
ある企業づくり」を講演した。
 坂本教授は6000社を超えるフィールドワークの中から
テーマに相応しい特徴的な事例を紹介、感動を呼んだ。

■人本主義を貫く ■感動と心の安らぎを 
■成長の種まきを ■継続こそ目的

 他人の幸せを念じて、社員とその家族・取引先・お客様・地域住民
の幸せを願って人本主義を貫く会社で危うい会社はない。生き残るの
は感動があるか心安らぐか。会社の価値を高める人財を確保し未来経
費を掛け続け成長の種まきを怠らないことが求められる。
 価値ある企業となるには①特定のものに依存しない、②社員とその
家族の幸せ実現のために経営することだ。業績は結果現象、追い求め
るのは会社に関わる人々の幸せ。社員を路頭に迷わせない、継続こそ
会社の目的と言える。

第26回経営者フォーラム第1分科会

  老舗企業に学ぶ 企業継続の秘密
【報告者】木村顕治 氏 ㈱マルキチ 社長
             (大阪同友会)
【座長】田野口和夫 会員 ㈱サクセスブレイン
             取締役企画室長

「企業存続の秘密は『変える』」


 社長を後継した時、業績は最悪で銀行から「このままではダメですよ」
と言われ苦しい時が続いた。社員の顔、会社の雰囲気が暗くなる中で
「現段階なら迷惑かけずに廃業できる」と考えていた。社員全員を会議室
に集め会社の状態を全て伝え、経営計画も話した。社員が辞める事も覚悟
したが、結果は全社員が残ってくれ逆に励まされた。分かったことは「社
長一人が悩んで解決できる事は小さい。社員に全てを話して力を借りる。
社員は考え力になる」ということだ。
 それから経営指針を実践し改革、会社を革新した。会議スタイルや社員
に考えてもらう事を長い時間かけて会社を変える。経営指針に取り組み7
年が経った。ようやく会社が動き出し利益が出てきた中、今回の震災で影
を落としてきた。その中でも嬉しい事は、安定供給するメーカーは取引先
へ出荷制限するのが常だが「マルキチさんは注文を上げて下さい。制限な
く出荷します」と言われた事だ。緊急事態の中、メーカーの信頼を得て取
引できるのも歴史がある御陰だ。老舗として、御先祖様が300年以上の
取引から築き上げた信頼関係というものは崩してはいけないと決意した出
来事だった。先祖は油問屋として起業したが、市場の油の用途の変化に応
じて事業を変革してきた。企業継続の秘密は「変えていくこと」だと思う。

第26回経営者フォーラム第2分科会

  「教える社長」と「考えない社員さん」から
「考える社員さん」と「考えさせられる社長」へ

【報告者】牧野章一 氏 アイエムタクシー㈱ 社長  
                (新潟同友会)
【座長】坂本 勝 会員 城南運送㈱ 社長

「信頼できるパートナーは共育で」

 平成10年、当時勤めていた会社がアイエムタクシーの経営権を
引受け、自分が退職しその会社の社長に就任。当時は3回経営者
が代っており経営陣に対する社員さんの信頼は無いに等しかった。
クレームが全く無いのが怖かった。まず「常連だが利用しなくな
った客」を訪問してクレームを聞いた。約半年かけ、ドライバー
や社員のモラル不足、お客様に対する不誠実さなど引き出すこと
ができ、社員に周知する際「犯人探しはしないが、真摯にお客様
の声を受け止め、会社を再建していこう」と言った。それが社員
の意識向上に繋がったと思う。お客様の声を真摯に受け止めるこ
とこそ企業品質に繋がる。
 経営理念は「共に生きる」。経営理念を必要とした理由は、平
成14年に新賃金体系を作り、さあこれからという時にクレームの
増加等が立て続けに起き、従来のやり方では通用しないと思った
から。会社再建のポイントは社員さんであり、社員が育たないと
会社の未来は無い。新入社員研修において「人生を生きる上で働
くことの目的は?」という問いの結論をつける事に時間をかける。
殆どの人は黙ってしまうか、特に無いと答えてしまうが、それは
良くない。目的を持って仕事することがプライベートの充実を生
み、それが仕事のモチベーションに繋がる。
 社員さんは信頼できるパートナーでなければならない。信頼で
きるパートナーとは自ら学び、考えることのできる人。そういう
人は育てるのではなく共に育つ。担当者が現場で判断に迷わない
よう、社長が経営の明確な方針を出し幹部社員が具体策を考える。
これが共育のベースだと思う。社長が具体策を考えてしまうと、
部下はその範囲内でしか行動しなくなり、結果考えない社員さん
が生まれてしまう。成功または失敗の結果から過程を考え「考え
させられる社長」になっていくことも重要。

第26回経営者フォーラム第3分科会

  生き残りを懸けた全社一丸の戦い!
   ~経営指針という武器を身につけて~

【パネリスト】
 金谷 道憲 会員 ㈱シィー・プランニング 社長
 藤弥 一司 会員 ㈱丸藤 社長
 笹野 由彦 会員 ㈱金沢自動車(ロータス金沢自動車)社長
【コーディネーター】織田 兼太朗 会員 和光照明㈱ 専務
【座長】宗守 重泰 会員 ㈱宗重商店 社長
「会社の使命・存在意義を問う」
 冒頭、座長が「今回は経営指針作成済みの方、過去・現受講生を
対象者にした。この分科会で各社の事例を踏まえ実践して欲しい。
経営指針・社員共育・新卒採用の三位一体の経営こそが三つの目的
達成に繋がる」と趣旨を話した。
【パネルディスカッション】
 織田=指針取り組みのきっかけをお話し下さい。
 金谷=指針を使い会社を立て直す想いで11年目。
 藤弥=組織再編を考えた頃、丸山先生の第1回セミナーを受け指針
の必要性を痛感。社員さんから社長と専務の発言にズレがあると指摘
されたことも一因。
 笹野=同友会4年目で3年前に指針講座を知った。まず、自社の優
先順位を考えて戦略を独学で学び、昨年同友会の指針講座を受講し成
文化。今年発表会を行い新たな気持ちだ。
 織田=導入後の問題点や作ったけれど発表できない方にアドバイスを。
 金谷=経営指針とは社員に対するラブレター。しまっておいても目的
を果たさない。しかし、発表して批判が出る場合もある。仕事はできる
が、理念は理解していない社員をどうするか。そんな社員は社長と反対
方向に引っ張っていく場合がある。経営指針は会社の使命・存在意義を
問うている。
 藤弥=トップダウンの経営指針の限界を感じた。大きな問題を見逃し
ていないか、なぜ皆で立てた目標に届かないのか、そんなことを考えて
指針書を皆で見直した。笹野=自分の方針・戦略が伝わっていないこと
に気づき、2年目は行動目標策定シートを活用した。今年は公民館で発
表会をして取引先にも来てもらった。
 織田=具体的な事例と浸透について教えて下さい。
 金谷=理念と行動規範は毎朝唱和。毎年6月に幹部で叩き台を作り、
修正して6月末に全員に配布、決意表明を提出してもらい、7月全体会
で発表する。モチベーションアップと社員との距離を縮めることが出来た。
 藤弥=個人面談で入社間もない社員から「自分の幸せが会社の発展に
繋がるんですね」と言われ少しずつ浸透していると実感。
 笹野=弱みを克服してこそ長所が活かされる。社員さんのレベルに
合わせ求めるものを明確に言う必要がある。そしてしっかり評価すること。
 金谷=クレーム対応で本性がでる。理念に基づいた対応ができるのかが
問われる。
 藤弥=指針に基づきもっと皆で幸せになろう、全社一丸でやろうと
いうこと。

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