委員会活動

【14.10.21】第29回経営者フォーラム

記念講演

テーマ「ミッション経営:企業の原点に戻る」
講師 岩田 松雄氏 
● 元スターバックスコーヒージャパン(株) CEO
● 株式会社リーダーシップ コンサルティング代表取締役社長
● 立教大学 ビジネスデザイン科 特任教授
● 早稲田大学 ビジネススクール 非常勤講師

第1分科会「経営指針」

「石の上にも10年。染みてきた経営指針実践」~変わらない社員の原因は、変わらない自分自身にある~
報告者:?橋 賢 氏 ㈱高橋 代表取締役/富山同友会副代表理事

一九九五年㈱?橋へ入社。とにかく何かしなければという思いだけが強く、社員のことは信頼していなかったので周りとの距離があり空回りを続けた。
 第八期経営指針を創る会を受講し、自分本位な考え方やお客様の立場に立っていないことに気付かされた。二〇〇三年社長交代、作成した経営指針書を発表したが社員の反応は薄い。これで会社は変わると思っていたが特に変わらず時は過ぎ、会長から理念、方針を掲げただけでは人はついてこない等の内容の手紙を頂いた。創業者と二代目は違うと反論したが今思うと会長が正しかったと思う。ただワンマン的経営ではなく社員の皆と同じ方向に向かって経営したいという考えは今も変わらない。少しずつしたいことが見え始め二〇〇六年に社員からの反発に遭いながらも全員研修を行った。また会社の不安・不満を無記名で書かせた結果、顧客情報の収集と活用が出来ていなかったので、お客様からの意見をカードにし原因と対策を協議する仕組みを作ったが社内展開していかない。枚数が集まらず自分で月百枚以上カードを書いて、ベテラン社員から自作自演だと言われた。絶対途中でやめない!と覚悟を持って続けたが、二○一二年ついに情報カードが○枚になり困り果て、その年の経営方針で、理念を通して自分がしたいことと社員に「今までのことは白紙にし、皆で方針を考えよう」という意思を全面に出したところ、少しずつ自主性が出始め情報カードが再び集まるなど変化の兆しが出てきた。
 経営指針を成文化したらまず行動するのが大事。社員を口だけでなく本当に信頼することで思いは伝わり自主性を持って働くはず。社員と信頼関係を作るには結局地道に関わるしかないと腹に落ちてようやく会社が変わってきた。これからも同友会の仲間達と学び合いよい会社にしていきたい。

第2分科会「障がい者雇用」

リレートーク 「今、時代は障がい者雇用」~これからの企業のミッション~
川口晃広氏 グリーンオートサービス㈱/東谷昌彦氏 石川県立明和特別支援学校 進路指導主事
浜崎大輔氏 ジョブコーチ(ハッピータウンクオレ)/岩下琢也氏 金沢QOL支援センター㈱代表取締役(石川同友会・障がい者委員)

 川口氏(森川会員インタビュー)=明和養護学校を卒業後、就労、訓練学校、作業所を経て、もう一度就職したいと思い、お弁当屋さんで働き、現在はグリーンオートサービスで車の洗車やワックスがけをしている。働きたい目的は結婚、だからお金を貯めたい。森川会員=障がい者も目的を持って働くことが大切。一つのことを一所懸命にやる事は出来ることを知ってほしい。
 東谷氏=特別支援学校は県内に十校二分校ある。昨年百十七名が卒業し、一般就労者は三十一名、他は障がい者支援施設に行く。第一に本人が健康で余暇も充実できる豊かな生活を送ってほしい。就職先からは会社が明るくなったと言われることが多い。四週間の実習で就労の判断をしてもらう。見学だけでも受け入れてほしい。障がい者が働ける会社は、社員も人間的に豊かで素敵な会社と思う。
 浜崎氏=ジョブコーチとは、障がい者の特性を会社に伝え、本人との間に立ちマッチングを図り、定着を支援していく。県内に十五名、うち八名は法人に所属している。昨年は十二名の支援をした。必要に応じて企業に出向き、ゆくゆくは本人と会社が直接やりとりできるようになることが理想。
 岩下会員=作業療法士をしていた時、精神障がいの患者さんから「岩下さんがこの病院に来て色んなことが楽しくなった」と言われ感激した。障がいが問題なのではなく、障がい者が活躍できない社会が問題。この様な人達を働かせてあげたいと思ったのが起業のきっかけ。まず、訪問看護事業を始め、今年四月に就労継続支援A型事業所を設立。障がい=個性=強みと考え、義務ではなく戦力として雇用することを目指す。
 座長(吉田会員)=経営者も一人の人間。真摯に考えれば、工夫し支え合うことで障がい者も働いてもらえるはず。特別扱いせず、自分で考えてもらい、その気になることが大切。生きがい、働きがいを持てるようサポートしていこう。

第3分科会「社員共育」

「社員はパートナー」理念が会社を変えた!!  
報告者:西村 佳津子 氏  ㈱ロッコー 取締役営業部長/大阪同友会 かんくう支部長 

◆パート事務員として
 パート事務員としてロッコーに入社。二ヶ月で退職するつもりが「私がやります」と啖呵を切ってしまった。必死に働き売上が上がり社員は入るが社内は罵倒の嵐。社員は私から毎日言われ続けた。
◆連鎖反応の退職願
 社員一人が辞めると言い出すと連鎖反応で全員が退職願を出してきた。得意先の説得があって二人の社員が残ってくれるが入っては辞めの体質は同じ。自分がした事のつけが全て自分にまわり、周りが敵になった。精神的にどん底にいた時、カウンセリングを受け自分を認めることができ、初めて泣いた。
◆経営指針セミナー受講
 ある社長から言われた「①自社との取引が二五%以上のところと商売しない。②価格決定権のない人と話をしない。③黒字の会社としか商売しない」。この三つを達成すると決めて日々奔走した。そんな時、両親が他界。一番大事な家族を犠牲にしていたことに気づく。藁をもつかむ思いで入会した同友会で聞いた赤石さんの言葉「社員はパートナー」、カルチャーショックだった。
 この会なら、私も変われるかもしれない。経営指針セミナーを受講した。
◆社員に謝罪
 セミナーで「うちの社員はサービス残業で頑張ってくれる」と自慢すると「経営者として間違ってる!」と怒られた。社員は働く道具なのか?翌日、社員に謝罪。「一緒に理念を作りましょう」と社員たちが言ってくれた。問題を課題に変え、やるべきことが分かった。会社はどうしたら変わるのか?私自身の課題を社員は勇気を出して書いてくれた。書かれたら直すしかない。必死で自分と向き合った。
◆この社員たちなら大丈夫
 来年三月、取引先とのつながりが切れるかもしれないという不安はあるが、この社員たちなら大丈夫と思う自分がいる。方針や計画だけでは幸せになれない。人が成長して初めて会社は成長する。ただ言われてやっていただけのことが点になり、線になり、次の十年には形になると信じている。

第4分科会「よい地域づくり」

パネルディスカッション「まちづくり・地域づくり」
【パネリスト】浦 崇典 氏 ㈱All Dash Restaurant Systems 代表取締役/公益社団法人 金沢青年会議所(金沢JC)第62代理事長
浦 淳 氏 ㈱浦建築研究所 代表取締役/まちづくりNPO法人趣都金澤 理事長/公益社団法人 日本建築家協会北陸支部(JIS)
佛田利弘 氏 ㈱ぶった農産 代表取締役社長/野々市産業戦略会議 理事長/石川県中小企業家同友会 政策条例委員
【コーディネーター】?屋利行 氏 ㈱?屋設計環境デザインルーム代表取締役/石川県中小企業家同友会 政策条例委員長

それぞれの団体の活動を通して役割を知り、連携を探ることを目的に、まちづくり・地域づくり「石川の風土×新幹線戦略は可能か?」をテーマにパネルディスカッションを行った。
 地域に根ざした三つの団体のそれぞれの活動や地域での役割の発表に続き、テーマに沿って討論した。二〇一五年北陸新幹線の金沢まで開通により交流人口が増え、人・物・金の流通が計り知れないほど動く。この劇的な交通インフラの変革の時、石川の県庁所在地、県都としての金沢は?新幹線の届かない加賀、奥能登はどのように対応していくのか?といった意見があり、キーワードとして『アフター新幹線』『観光都市金沢』『自社経営と団体の連携』が導き出された。
 「新幹線が二〇一五年に来て一時のピークが過ぎた後どうなるのか?」「観光都市金沢のおもてなしとは?」など、地域に関わる社会問題を自社の経営を通して解決する一企業の実践から業種、業界、三団体の活動から共通点を見出してどう良い地域にしていけるかまで白熱の意見が交わされた。
 問題提起として、「現状すべての事が縦割り組織では難しい。地域や業界、各職種に横串を刺すことが大切で、連携から更なる発展が必要である、そうすればよいまちづくり、地域づくりができ、そこによい経営環境が整っていくのではないか?そのために我々中小企業家の役割とは?」とまとめた。
 グループ討論では、『自社の仕事を通じて、地域でどんな役割を果たしていますか?』をテーマに様々な討論が交わされた。自社の足元を見て力量を知るだけでは無く、地域全体を考えた意見も多く、様々な論点から最終的に地域がよくならないと自社は存続できないことに気づき、自分たちの地域を考える良い機会となった。

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