委員会活動

【15.04.30】第40回定時総会 基調報告

「脚照顧」をスローガンに

   四月三十日(木)、ANAクラウンプラザホテル金沢にて第四十回定時総会が行われた。以下概要。
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 議長:太田会員(㈱ファロン/金沢中央)、議事運営委員:姥浦会員(姥浦建設㈱/能登)、議事録署名人:野村会員(新宅工業㈱/金沢中央)、資格審査委員:神川会員(白山自動車サービス㈱/金沢駅西)、十四時五十分時点の出席者は五十七名、委任状百九十二通、合計二百四十九名で会員数三百九十名の過半数百九十六を越え本総会は成立し、全ての議案が可決承認された。以下、議事録抜粋。
◆第一号議案「二〇一四年度運動の経過報告と課題」は議案書にそって金谷副代表理事が報告。
◆第二号議案「二〇一四年度 決算」を山下総務委員長が行った。「支出では活動費の執行率が五三%。以下、分担金九五%、給与関係費九八%、管理費九二%、繰出金一〇〇%となり全体の執行率は八七%で、単年度で百五十九万三千三百三円の黒字となった」。また、前田監事より「二〇一四年度会計監査報告が本年四月六日に適正に行われ正確であった」との報告があった。
◆第三号議案「二〇一五年度 運動方針」は岩木代表理事が行い、新年度スローガン「脚下照顧」の説明の後、本年九月までに会勢五百名を達成することが緊急提言された。 
 「二〇一四年度は二十四名の会員により三十四名の増員に取り組んだが、同友会運動を石川県内に広めていくためには一部の会員だけが取り組むのではなく、会員全員の課題として取り組もう。会員数は同友会運動進捗のバロメーターでもある。二〇一六年の青全交IN石川では最低でも会勢五百名、出来れば六百名で全国の会員をお迎えしよう。具体的には七月県例会は中止して、各支部で仲間づくりをテーマに例会を開催していただき、十月の経営者フォーラムはプレ青全交の位置付けで開催する予定であり、これらの行事も活用して目標達成に取り組もう」と提起された。
◆第四号議案「二〇一五年度予算」は山下総務委員長が報告。「第四十期は財政改善により、前期対決算ベースで百五万四千三百四十八円の増額、対決算ベースでは二百七万八千九十五円増額の予算編成となった。
 総務委員会では収入が同規模の他県同友会の予算を研究し、委員会の支出バランスを改革して、委員会個別に予算を配分するのではなく、活動推進費として八十万円を一括計上した。予算ありきの執行ではなく、計画に基づいた支出を徹底することとした。
 新しい支出項目として青全交立替え金があるが、これは二〇一六年青全交の決算時に中同協より準備金として補填される見通し。また、通信費・車両交通費など管理費を絞り込んだ。環境にも貢献するペーパーレスの推進とFAX使用を減らすことも継続する。
 以上により二〇一五年度予算は繰越金に頼らない収入ベースでの財政健全化を達成した」。
◆事前質問が六問あり、乗地総務担当副代表が回答した。

総会基調報告

   四月三十日(木)、ANAクラウンプラザホテル金沢にて第四十回定時総会が開かれ、基調報告として、中小企業家同友会全国協議会幹事長  の広浜泰久氏(㈱ヒロハマ代表取締役会長)が「石川の未来をつくろう」をテーマに報告した。以下報告要旨。
◆自己紹介、業況説明
 当社は缶のキャップや取手など缶の部品製造を手掛けている。業務用の一斗缶は年間約二億缶製造されているが、キャップを造っているのは全国で三社のみ。当社のキャップのシェアは約六〇%で全国一位。 
 平成二年に千葉同友会に入会した。当時、専務が同友会からのDMを見て私に勧めてくれたのがきっかけだ。真面目に例会に参加して、二年位で役員になり、五年目で代表理事をさせてもらい、十三年間代表理事を務めた。その後、中同協の幹事長をさせていただくことになった。同友会で様々な勉強をさせてもらい、今では同友会の共同求人で入社した人が六割を超えた。
◆問題提起…あらゆる組織に存在する機会損失とは?
 組織を動かすには課題を明確にすることがスタート。そして役割分担とスケジューリングを行う。そしてチェックとフォローをする。実はこれができていないことでの機会損失が非常に多い。私はこの機会損失が一切ないという会社に出会ったことがない。それほど我々にはたくさんの儲けそこない「宝の山」がある。同友会でも会社でも同じだ。これを問題提起としたい。
◆「人を生かす」一人ひとりの素晴らしさを最大限発揮してもらうために…
 ①「労使見解との出会い」…経営者の責任
 一九七〇年代、不法ストライキを企てた社員がいた。その時には解雇しなかったが、別の事案で結局解雇することになった。その社員は一人でも入れる組合に入り労働争議に発展する。大阪工場では七年間にわたり赤旗が二十本立っていた。労使見解にもっと早く出会っていれば七年間苦労しなかった。
 労使見解には解決策が全部書いてあった。当時は職人の手作業から機械化による自動化の時代。ストライキがおきた原因は一部のパートの雇い止めがきっかけだった。「効率ばかりを求めていなかったか」「甘やかすことではない真の人間尊重の経営ができていたか」「社員のやりがいを考えていたか」。労使見解に出会いこれらが頭をよぎった。
 労使見解は文章が短いので何となく分かった気になる。労使見解を読むコツは二つある。本文の「労働者は」のところを実際の社員の顔を思い起こしながら読むこと。もう一つはワンフレーズごとに自社の取り組みを書いてみること。頭で理解しているのと、実践しているのとは全然違う。良好な労使関係が経営指針をつくる絶対条件、社員との関係づくりが最も重要なのだ。
 ②「仕組みづくりと主体性の発揮」…自主・民主・連帯の社内実践
 「自主」の具体的な実践の一つは職能資格制度だ。当社では人事考課表の評定の項目、社員に求めること、社員がやるべきことを明確にして、給与体系と評価が連動している。社員ひとりひとりが自分で考えて、「資格を取る」など実際の行動に移している。もう一つの実践である社員全員との面談では直属の上司、本人、私の三人で行い、本人の希望を事前に書いてもらい臨む。面談の目的は本人に一番向いている仕事を判断するためだ。大切にしている言葉は「独立自尊」。逆の言葉でいうと自分を貶めないこと、自己否定しないこと。中小企業に来る人は挫折を経験している人が多いからだ。
 次は「他者依存をしない」。例えば、社員の「○○さんに言ってあるんですが・・・」という言葉。これは許さない。そんな社員には「ちゃんと話したのか?」「人間関係をつくってないのか?」を問うことが大事だ。「それは大変だね」と言っていては他者依存のマインドは消えない。うまくいかないのを他人のせいにしていてはダメだ。
 「民主」は労働環境、労働条件を改善すること。「相互尊重」互いの良さ、すばらしさを見つけること。「連帯」はそれぞれが「より高いところにいくぞ」という意識があり、かつ適切な役割を果たすこと。例えばクレーム処理。当社では優秀な営業マンが一人でクレーム対応していることを叱る。「なぜ技術者を連れていかないのか?」「うちの会社の良さを知ってもらうチャンスじゃないか?」。一人で処理することを優秀と評価するのではない。これは機会を損失していると考えるからだ。このように会社の中は機会損失だらけだ。同友会運動でも同じだ。いかに、会員ひとりひとりに対して相応しい役割をしていただくか。人を生かすのが同友会。
◆「企業を変える」 ・・・経営指針に基づく全社一丸経営
 ①道徳的な言葉でごまかすな!…社会性・人間性・科学性のバランス
 よい賃金体系をつくるためではダメ。その賃金を保証する仕組みがなければ意味がない。そして自己資本比率を増やしていく。これが現行一致だ。科学性を上げるコツは数字でものを言う癖をつけること。例えば「大至急お願いします」ではなく「一時間以内でお願いします」。「納期遅れが多い」ではなく「○○件納期が遅れた」ということが大事。数字で言えないと改善に結び付かない。次に決算書を理解すること。社員に噛み砕いて説明できることが大切だ。
 ②「経営理念の確立」・・・何のための経営か?
 ほとんど独断で決めた新規事業から撤退した苦い経験がある。今思うと、二代目として先代に負けたくない、古参社員の鼻を明かしたいとい不純な気持ちがあったから失敗したと思う。この失敗は、何でも自分で判断して自分の力で成功に導ける経営者が良いと思っていた気持ちを覆すきっかけになり「何のために経営するのか」を徹底的に考えた。答えは、お客様が当社と関わることによって問題を解決した時と、社員が当社でやりがいをもって働いていることだった。
 理念を考える時には全ての課題がピックアップされているかが大事。日常の生々しいことに目を向けていないと本物の理念にならないし、美辞麗句では理念は実現しない。計画の実行は自分で考えた目標でないとやらされている感しかなく、本人も成長しない。自らが考えた目標をそれぞれがPDCAを回すことで、次への成長に繋がる。経営指針は本物になるまでやりきる覚悟を持って十年続け、潜在意識に透徹するまでやり切ることだ。
◆「持続可能な地域をつくる」… 地域づくりとエネルギーシフト
 我々の地域貢献とは本業での貢献だ。自社の経営を通じて、他の地域からお金を集めて、地元に納税する。そして新たな雇用を創出することが地域づくりだ。
 「エネルギーシフト」とはエネルギー自給率の話で反原発の話ではない。日本では自給率は五%しかない。まずは省エネ。熱を逃がさないこと。そして、再生可能エネルギーを活用する。エネルギーの地消地産は地域経済循環の出発点となる。まずは同友会内で学習から。自分の経営に関わることはなにか?条例づくりの経験を活かし、行政も巻き込んで取り組んでいこう。

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