【15.11.13】第6期共育塾②
時代認識が大切な時代
共育塾が十一月十三日(金)近江町交流プラザで行われ、宮崎由至氏(㈱宮崎本店・代表取締役/三重同友会・相談役/中同協副会長)が今期の共育塾の各回共通テーマ「労使見解の学びを深め、人を生かす経営を!」と題して報告した。参加者は三十四名。以下報告要旨。
時代認識がとても大切な時代。田舎の若者が都会に出たいということはない。実は半径五キロ以内にずっといたい人が多い。それを繋ぎ止める仕事を作るのが中小企業。クライスラーで過去最高利益を出した有名な社長がいるが、設備投資や社員教育はせず期間利益を上げただけのことだ。その点ファミリービジネスは息子に承継する前に設備投資しておく。中小企業のマインドを世間に分かってもらう時代にきている。
戦略と戦術との違いを区別する。キンミヤ焼酎は四リットル千六百八十だったのを二千五百にした。値引き商品は止めるという戦略をたてた。売上が七割減るので、キャッシュフロー確保の戦術が必要。九〇ミリリットルのパックを百円で出し冷凍でかき氷の焼酎ができる。今は品切れ状態。価格弾力性のある商品づくりが大事。理念は戦略。行動を戦術として明確にする必要がある。
強みと強みをコラボレートする。料理組合とお風呂の組合がコラボして、天婦羅油の排油を活用した。イオンリカーショップでは、チラシにマークしてあるレストランで、イオンで買ったワインを五百円で持ち込める。ワインの客単価は千円から三千円くらいになる。レストランは、福島の原発の後だったので、計画停電でワインセラーの電気を考えずとも済む。この様な出口連携を中小企業としては考えていく必要がある。
企業づくりで一番の問題は二〇一七年問題。段階世代が七十歳を迎える。事業承継を考えるのは七十歳くらい。社長交代と事業承継は別。代取が外れないのは、資金と人事が承継できていないから。息子は三十九歳。ブレーンは今課長クラスで考えていく必要がある。組織図に年齢を入れると良い。パッチワーク人事で理念の共有はできない。共同求人で新卒採用して育てないといけない。
地域づくりでは、憲章や条例ができたらどうなるという話ができない人ばかり。それを描いて見せるのは理事・役員の仕事。顔の見える条例にしないと戦略だけでは人の心は動かされない。市民と一緒になって考えられる企業家を同友会で何人排出できるかが重要となってくる。