【19.04.23】第44回定時総会 基調報告
お客様の喜びを自分の喜びに
第44回定時総会が4月23日(火)、ANAクラウンプラザホテル金沢で行われました。その後行われた基調報告では、「競争から協調へ」〜街の解体屋からグローバル企業への軌跡から〜と題し、会宝産業(株)代表取締役会長の近藤典彦会員が報告し、145名が参加しました。以下、報告要旨。
1969年、22歳で自動車リサイクル事業をメインとした(有)近藤自動車商会を創業しました。1992年、社員が宝になれる、ご縁を宝のように扱う、開放していけるようなオープンな会社を目指し、現社名である(株)会宝産業に社名を変更しました。社名変更と共に自身の生活も改め、人のこと、人のためになることを考えるようになりました。苦労は成長の過程で必要なことです。正々堂々と正しいことをしていれば、苦労を乗り越える力をつけると、周りの人々が応援してくれるようになります。
自社で50年かけてやってきたことは発展途上国では今すぐ実践でき、今やらないと地球が持たないとの危機意識からSDGsの取り組みをはじめました。自動車リサイクルネットワークを通して世界のゴミを後始末し、解体という静脈産業から循環産業への転換のため、世界各国へのリサイクルセンターの設立を目標にしています。2010年には農業に参入、正しい食事の教育、正しい食への追求にも取り組んでいます。
今までは常に新しいものを作り続ければ成長できました。これからは登山の経営から下山の経営が求められます。モノを作っても売れない、ムダなモノは作れない時代です。このような時代は、競争でなく協調することが大切です。「環・成・経」、環境保全、修復につながるクリーンビジネスで経済を成長させ、日本各地の企業が環境を良くすることでビジネスとなり成長につながっていきます。
事業承継については、自分の事業に誇りと情熱が持てる人が相応しいと考えます。情熱と創造力、付加価値を見出すことができないと、これからの下山の経営はできません。世の中の役に立つ物にどう変えていくかを考えることができる人につなぐことが大切です。「タライで洗濯していた時代、石鹸の泡を皆で分け合ったように他人にあげれば最後に自分に戻ってくる」という母親から学んだ人との調和、人のために何ができるか、本当の幸せはお客様の喜びを自分の喜びとすることです。