【08.01.25】景況調査10月~12月
売上増加するも収益見通し悪化
一月五日から十四日まで実施した景気動向調査の結果がまとまった。会員企業を対象に経営の状況や冬季賞与、経営外部環境について記入してもらった。四百六十社の内、六十一社より回答を得た。
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■売上高DI増加
現在(十~十二月)の経営状況を全業種(図)でみると業況判断DI(「好転」―「悪化」企業割合)は売上高が二五.九ポイント増加して二七.九、収益状況は一二ポイント上昇してプラスに転じ一〇を示す。資金繰りDIは三ポイント上昇したがマイナス六.六を推移している。しかし、経営の見通し(一~三月)を全業種(図)で見ると売上高DIは四.九二ポイント増加しているが、収益状況DIは九ポイント下降してマイナス一一で悪化を予測している。
■収益の見通し悪化
現在の経営状況を業種別にみると(表)、製造業の売上高DIは十月マイナス二三から大きくプラスに転じ六四.三を示し、サービス業も二四.九ポイント増加してDIは三一.六、建設業も一五.四ポイント増加している。ただし、経営の見通しを業種別に見ると、売上高DIは建設業でマイナス二三、卸小売業でマイナス六.七を予測し、収益状況DIは建設業でマイナス五四、製造業でもマイナス七.一、卸小売業はマイナス二七と悪化が懸念される。
■原材料高騰は二年連続
原材料価格DIの現況は全業種ともマイナスで全体ではマイナス六七を示す。二年前に遡って見ても前八回全ての調査で全業種マイナス、内四回はマイナス五〇を超える状況で経営環境の厳しさが続いていることが分かる。受注単価DIは建設業でマイナス三一、卸小売業がプラス二六.七を示すが全体ではマイナス一.七となった。取引条件DIは全業種でマイナスで全体ではマイナス一二となった。
■雇用状況は不足傾向
雇用状況DI(「不足」―「過剰」企業割合)はプラス二七.三を示しており、原材料価格等の高騰に対応して人件費を切り詰めていることも窺える。十二月賞与の支給率は、二ヶ月未満が全体の八二%を占め、昨年の八一%とほぼ変わらないが、この内訳では一.五ヶ月以上が昨年より六%増えて三一%となった。
経営課題では売上高増加が最も多く三六%、次が人材育成で二四%で、この傾向は昨年十月調査と変わらない。
■仕入の売価転化が困難
経営外部環境についての記述より以下。大手住宅メーカー進出による受注競争激化。受注単価下降による海外からの部品調達の増加。仕入価格の上昇を売価に転化するのが困難。原油高から物価が上昇し消費意欲が低下、価格競争が激化して収益悪化を招く。