【13.09.01】がんばる企業家(4)
㈱辻鉄 取締役部長 辻 明良
創業121年 業態変化をし続けて今がある
明治25年、辻鉄次郎が金沢市金石町で木材業を創業。本家は倶梨伽羅の土木屋で、材木の必要性から始まった。この頃から材木屋は金石か金沢駅周辺が多く、今もその名残はある。現在に至るまで多くの材木屋が潰れ、製材屋も少なくなり、業態変化を続けながら生き残ってきた。今は木材販売をはじめ、プレカット、建材、住宅機器、サイディング、サッシ、シロアリ工事などを手掛け、物販から工事機能を充実させることで、規模の拡大を目指している。特にサイディングのプレカットは他県からも注目され、受注増大につながっている。しかし、それだけではこの業界で生き残ることはできない。今後は建築会社に対するソフト面での支援、瑕疵保険、フラット35の取り扱いなど、かゆいところに手が届くような「お役立ち」に注力し、取引会社から必要な存在にならなければいけない。一方、既存の商売についても新たな取組みを行っており、新築需要に対しては国策である長期優良住宅事業への対応を建築会社に推進し、またこれから伸びていくリフォーム市場に対しては、幅広い取扱い商売を武器に物流体制を変え、ジャスト・イン・タイムでの資材の提供に取り組んでいる。
同友会に入会して5年目。山下勝巳会員の誘いがきっかけだった。このような経営者の会には一切入っていなかったので、軽い気持ちで入会した。今、経営指針成文化講座を受講している。もともと年頭には社長が経営方針を発表しているが、今回の件でお互いのすり合わせが課題になってくる。当社の経営理念…「一、すべてのものに感謝し、仕事に生きがいを持とう。一、絶えまない改善に取り組み常に社会に役立つ企業を目指そう。」この理念に、同友会で言う人間性の面を足していきたい。
今後の課題は、事業継承と世代交代を見据えた中堅社員の育成だ。各部署の成長と新事業の開発がこれからのカギを握る。既存の事業に関連する市場を開拓し、売り先の幅を広げていくことで生き残りを図っていかなければならない。常に前向きに同友会で勉強し交流を深めて、さらに自社のレベルを上げていきたい。