【14.02.01】がんばる企業家(7)
ノムラ合成㈱代表取締役 野村 昭夫
地域の住文化への想いをカタチに
外資系の製薬会社を辞め、実家の工場を手伝うために帰郷したのは二十年前。当時の会社名は「ノムラ合成樹脂」。バス製造メーカーに樹脂の部品を加工し納品していた。その時の材料の中に、エンジンルームや吸音材として使われていたグラスウールの断熱材があった。これが現在の「ノムラ合成」の主力商品である断熱材だ。
主に住宅などの断熱材の加工・施工は、この二十年間で約四百棟の実績がある。当初は断裁・加工を主にしていたこともあり、「営業」的なことはしたことがなかった。しかし、住宅の高断熱・高気密仕様の必要性を感じ、啓蒙に奔走する日々だった。今でこそ、ほとんどの住宅が高断熱・高気密を謳っているが、当時は知名度もなく、なかなか必要性を感じてもらえず苦労した。
断熱材は様々な種類や材質があるが、こだわってきたのは「グラスウール素材」。それぞれに一長一短はあるが、消費者のニーズに合った素材と信じ、金沢に暖かい住宅を提供したいという一念でがんばってきた。地域の住文化への想いをカタチにするために、これからも地域に必要とされている工務店に協力していきたい。
住宅の断熱は、ただ断熱を使えばいいというものではない。一棟一棟に合わせて、「人」がキチンと仕事をすることが大切なことだ。まさに、手作りの確かな技術と精度が必要になる。そのためには人材の育成も欠かせない。そんな経営者としての想いを学んだのが同友会であった。
同友会では、経営を数字として見られるようになったり、いろんな手法を学ぶことができた。毎年参加している共育塾では、社員を鍛えてもらったし、他の企業の社員さんから学びがあった。また、今年から社員を定期採用を実施すべく、共同求人にも参加する。
今年で、創業五十三年を迎える。三位一体(経営指針・社員共育・共同求人)の経営を実践し、社員と共に、さらにステップアップしていきたい。