【14.03.01】がんばる企業家(8)
㈱ヴューズ代表取締役社長 濱本 定義
クライアントが期待する以上の提案が信条
見るからに、その風貌はクリエイターである。業種はデザイン事務所であるが広告業務ではない、建築完成予想図(建築パース)の制作が主な仕事である。平面的な図面から完成予想をイメージして立体的なパースを起こす。経験と想像的な感覚がなせる技だ。
デザイン学校の建築課を卒業し、修行を積み2002年に個人事務所として創業。開業時期は手描きによる制作から、現在の主流であるコンピューターグラフィックス(CG)へ移行して行く変換期でもあり、大きく仕事の形態が変わる中でのスタートだった。試行錯誤しながらCG技術のノウハウを積み重ね、二年後にはCGによる制作に完全移行を果たすことができた。
個人事業所時代は会社経営という意識はなく、ただ良い作品をお届けしていれば良いという思いだけでの営業だった。そんな中、2008年に法人化し中小企業家同友会と出会う。入会は、それまで向き合うことのなかった経営者としての現状分析と方向性を確認する良い機会になった。クライアントが期待する以上の提案を信条としている。創業から10年を超え、今後の存続の指針として昨年、経営指針も作成した。経営理念を作成する過程で、自社が「ものづくり」に「わくわく」をこめた会社であることに気付かされた。
また、次代を見据えた新しい技術への挑戦も怠ってはいない。3Dプリンターと既存の技術とのマッチングを模索中である。3Dプリンターの登場は革新的で、さまざまな分野での可能性を秘めて
いる。
この分野においても濱本会員の持つ完成形を想像できる感性と、立体イメージをデータ化できる技術には今後、需要が見込めるであろう。今回の取材を通し人柄にも触れることができ、更に活躍の場が広がることを実感した。