企業訪問

【14.08.01】「TakeOff!」~未来へ向かう羅針盤~(5)

農業組合法人 北辰農産 代用理事 舘喜洋 会員

  加工・販売に注力、「ほっこり」ブランドで


 昨年、第七期生として経営指針成文化講座を受けた。父が亡くなって急遽、母がその代りをしてきたが、今後の指導者は自分だと自覚している。まだまだ自信は持てないが、このままではいけないと奮起し、この講座を受講した。農業は、えてして家業に近い。しかし、これからはその家業から脱却し、企業へと変革しなければならない。そのためには何が必要なのか。TTP政策も実施されようとしているなか、この会社をどうすれば生き残っていけるのか。この厳しい環境の中で、日本の農業をどうすれば強くできるのか。その礎を築くために経営指針の成文化に着手した。そして今年の二月、その経営指針を発表することになった。
自分と社員とのギャップを感じていた現状を、少しでも縮めたいとの思いで望んだのだが、思いのほか社員からはズカズカと言われてしまった。しかし、逆に腹を割って話し合いができたことはこの上もないほどの収穫であった。
経営理念と経営基本姿勢、中期ビジョンと売上目標、組織体制とその役割などを社員の前で発表して、やがて五か月を経ようとしている。生産だけでなく、これから農業で生きていくためには、加工と販売に力を入れていかなければならない。その思いが通じたのか、最初はピンと来ていなかった社員も、徐々に変わろうとしているのがわかるようになってきた。特に変化があったのは、ものごとの決め方である。積極的に、ミーティングを毎週やるようになった。今まではすべて経営側で決めていたことを、社員が話し合って決めていくことで、あきらかにやる気と会社の一体感がでてきた。これは頼もしいことである。「ほっこり」をキーワードにしたブランド作りも、現実味を帯びてきそうだ。
しかし、いま一番の問題がある。それは事務所の形態である。せっかく社員と経営側に一体感を形成しつつあるのに、空間が二つに分かれていることだ。棟が別になっていて、社員の顔が見えない。働いている社員の声が聞こえない。これではいけないと思い、今年の秋には事務所を改装し、一緒に過ごせる空間を増築することに決めた。そして、今までの事務所は販売を中心とした店舗にする予定である。
わだかまりを一掃し、社員と経営側の意思疎通ができれば、なお一層、経営指針の浸透に期待が持てる。そして、日本の農業の未来を明るくしていくことに、使命観を持った社員を多く育成していきたい。

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