【14.08.01】外形標準課税適用拡大についての見解
「外形標準課税適用拡大反対」(中同協会長談話)を受け理事会で協議
床面積や従業員数、資本金など外形に課税
資本金一億円以下の法人にも適用
応能負担の原則に反比例
中同協・会長談話と7月理事会討論から
■外形標準課税適用拡大反対
石川県中小企業家同友会では六月四日付の中同協・鋤柄会長が表明した「外形標準課税適用拡大反対」の会長談話を受け、七月二日の理事会で会長談話について協議された。岩木代表理事より具体的な説明があり石川同友会も反対に向け、どのような行動を起こしていくかを早急に討議し、中小企業存続のための行動を起こすことになった。
■法人税引下の埋め合せ
外形標準課税適用拡大とは何か。
政府は現在、企業の国際競争力の視点から法人税率の引き下げを目指している。この税率引き下げに伴う税収減の埋め合わせとして法人事業税における外形標準課税適用拡大が言われている。
■外観で資本金一億以下も
外形標準課税が導入・施行されたのは平成十六年四月一日からで、事業所の床面積や従業員数、資本金等および付加価値など外観から客観的に判断できる基準を課税ベースとして税額を算定する課税方式で、現在は資本金等の金額が一億円を超える法人に適用されているが、これを資本金一億円以下の法人にまで適用しようとしている。
■中同協は会長談話発表
中同協では六月四日「会長談話」として反対を表明した。
政府税調は、①税負担の公平性の確保、②応益課税としての税の性格の明確化、③地方分権を支える基幹税の安定化、④経済活性化・経済構造改革の促進を理由に導入を急ぐ。
■赤字法人にも課税
現在、七割を超える法人が赤字で、既ルールでは赤字の法人に事業税は掛からない。しかし、赤字法人といえども地方公共団体が提供するサービスを享受する以上は受益の額に応じた税を負担せよという。
■憲法の見地からも問題
現在、中小法人の事業税は「所得」に課税されており、負担能力に応じて課税している。外形標準課税を中小法人にも適用することにより、応益課税としての法人事業税の性格を明確化しようとしているとも言える。
わが国の憲法は国税・地方税とも能力に応じた負担しか求めていない。従って、この応益課税を前提とした議論は憲法上の大きな問題があると言わざるを得ない。応能負担の原則に反比例する課税方式で、中小法人が雇用を維持し豊かな地域づくりを進めることにとって好ましくない課税方式である。