【15.11.01】「同友会の学びを活かして」(6)
3度の指針づくり、本当の「やばい」で入魂
㈱シィー・プランニング
代表取締役社長 金谷 道憲 会員
三十一歳で同友会に入会。事業意欲に溢れ怖い物知らずで、例会は、ほぼ出席していた事もあり三十二歳で報告、更に理事になった。三十三歳で経営委員長を勧められ、どの様な役職かも分からず、来るものは全て受けようとの想いで引き受けた。しかし、理事会に行くと「こんな若造が出来るのか」と冷たい視線を感じ、その重責に背筋が寒くなり夜も眠れない日が続いた。立場上、経営指針がないのはまずいという事で作ってみたが、当時は社員がおらず、今思えば何となく作っていた。
三十五歳の時「経営指針研究会」の立ち上げに関わった。その頃、父の会社は後継者がおらず、同友会で事業の大変さを学んで、そのまま潰す事は出来ないとの想いから、父の会社と合併し、シィー・プランニングを設立した。組織変更して新たな事業に向かうため、二回目の指針を作る。社員が四人になり発表、手ごたえも感じたが、今思えば社員に浸透するほどではなかった。
当時、プラン住宅が流行となり順調に売上を伸ばしていくが次第に安売り合戦となり、リーマンショックも重なって売上が半分になった。本当に「やばい」と思い、背筋が凍りついた時、本気の魂が入った。三回目の指針を作り今の経営理念が出来、再度発表した。誰が何と言おうと曲げないぐらいの気持ちで経営に取り組んだ。指針を学ぶきっかけは色々あるが、どこで本気になるか、経営者の意識が変わるか、それがないと指針を作っても結果が出ない事を学んだ。
同友会理事を四半世紀続け、支部長を二回も受けた経験で学んだ事は三つ。「経営は広く深い」、「経営は甘くない事を知った時に強くなれる」、「同友会の運営ばかりに注力していると自社の経営がおろそかになる、同友会ごっこにならない事」同友会で学んでいなかったら今の会社はないと実感している。
青年部会には刺激をもらい、また期待をしている。若者には勢いと意欲と吸収力がある。自身の経験から、三十代で学びを得る事の大切さ、やる気があるのに伸ばせないジレンマが、青年部会卒業後に会社を発展させる力となると確信している。「学んだ事がすぐに生かされなくても焦る事はない」と語る副代表理事からは後輩会員を思いやる優しさを感じた。