調査・見解・提言

【15.11.01】景況調査2015/7月~9月

小売業の景況感、見通しが好調

調査期間 9月15日~10月8日
回答社  77社/406社(19%)

■景況感わずかに悪化傾向

   現在の経営状況(四月~六月期と比べて)は、業況判断DIを全業種で見ると、売上高DIは七月調査の二二.三から二〇.八に一.五ポイント減少、経常利益DIも一六.一から三.九へ一二.二ポイント減少、資金繰りDIも六.三から二.六へと転じた。
 一方、十月~十二九月の経営の見通しは、売上高は三一.三から四〇.三へ、経常利益も二一.四から三三.八へ大きく好転予測となった。しかし資金繰り予測は一〇.七から三.九へと悪化を見込んでいる。
 現在の経営状況を業種別で見ると、売上高DIは建設業が四.三ポイント下降、製造業も四五.五ポイント下降した。卸小売業は七三.一ポイント上昇した。
 経営の見通しを業種別に見ると、売上高DIは建設業で二〇.一ポイント好転予測、卸小売業は四四.六ポイントと大きく好転を予測している。製造業で五.四ポイント、サービス業で四.二ポイント悪化予測となった。資金繰りの見通しは、サービスだけが二五.八ポイント悪化予測だった。

 

■マイナンバー制度対応中48%

 マイナンバー制度への対応について、対応完了が三%、対応中が四八%、検討中が三一%、予定していないが一〇%だった。具体的対応としては、社員への周知方法の検討、次いで基本方針、取扱ルール等の策定が多数だった。検討中、予定していない方の理由は、どう対応してよいかわからないが五〇%だった。

全国下方修正、石川依然堅調

【総評】
 二〇一五年度第二四半期においては、全国的には、中国経済の減速の影響などにより、政府は景気判断を下方修正した。これに対して、石川県の本調査においては、業況判断DIはやや低下したものの依然として堅調であり、今後についても経営者は強気に見通していることを見て取れる。とくに卸小売業のDIが突出して高く出ているのは、北陸新幹線に伴うキャンペーン効果が引き続き持続していることの表れであろう(他の地域の調査では卸小売業が特別高いわけではない)。一方で仕入単価の上昇と人手不足感は定着した感があり、表面的な景気の良さに対して、収益構造が安定しているわけでは必ずしもないことに注意が必要である。   
(佐無田光 金沢大学人間社会研究域 教授)

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