【15.12.01】「同友会の学びを活かして」(7)
県内業界初Pマーク取得で企業支援広める
社会保険労務士 山田事務所
代表 三井 敏彦 会員
昨年創設三十周年を迎え今年で業歴十七年になる。その間、平成二十年に創設者であり先代の山田浩三先生が亡くなり、不安と恐れで戸惑いの日々が続いた。当時、電話が鳴ると解約の話ではないかと思ってしまい、朝起きるとプレッシャーで吐き気がする、そんな状態だった。しかしお陰様で結果的に解約はゼロ。全ての顧問先企業が継続してくれた。懐が深い顧問先に恵まれていることにとても感謝している。感謝の気持ちを仕事ぶりで表したく、日々の行動を心掛けているが、なかなか到達できないままである。
昨年、経営指針講座を受講した。元々事務所理念はあったが三十周年ということもあり、もっと深く掘り下げようと思った。特に士業は、職員が増えると役割分担や情報の共有が難しくなる。そこで、方向性に職員の思いが入ることが重要であると考え、各職員に自己実現を出してもらった。経営指針など方向性、考え方は見えるようにしている。
今年からマイナンバーなど、国家レベルの大きな制度が始まるが、当事務所も顧問先企業への対応を支援している。個人情報保護への取り組みで一定の要件を満たした事業所に使用が認められるPマーク(日本工業規格 「JIS Q15001個人情報保護マネジメントシステム 要求事項」)を石川県内の社会保険労務士事務所で初めて取得した。マイナンバーの対応が多くの企業で遅れていると聞くが、Pマークを活用して企業への支援の場を広めたい。
ここ数年は、労使トラブルに関する本を出版したり、公共団体、経営者団体、金融機関などが主催する経営者向けのセミナー講師も積極的に行ってきた。その様子を新聞、テレビ、ラジオなどで多く取り上げてもらった。もし事務所の売上げだけを考えるならこの様な行動はあまり効果的ではないが、今後、更に社会保険労務士の活躍分野が広がり、企業関与率が高まることを願って行動してきた。
企業が発展することで納税が増え、新たな雇用も生まれる。これは地域にとっても社会にとっても大変有益であり、それを支援する社会保険労務士は素晴らしい国家資格者だと思っている。この職業がもっと企業経営者、一般の方に認知され、小学生が憧れる職業ランキングに入ることが私の夢である。