【17.05.01】次代を担う 次代を託す(11)
理念を改め「わが家の主治医」へ
石田 満雄 会員 (株)日本美装 代表取締役
一九八六年創業、塗装業から出発し、昨年三十周年を迎えました。設立と同時期に同友会へ入会。水廻り、増築、新築、不動産業等、お客様のニーズに対応する為、経営の幅を広げました。そして、全国の視察や研修へも積極的に参加しました。
昨年「百年先も一番に選ばれる会社をつくる=ファーストコールカンパニー宣言」をしました。変化なくして成長なし!目指すキーワード「一・一〇・一〇〇」を掲げました。一はお客様から一番に声をかけていただき、一〇は経常利益率一〇%を確保、一〇〇は百年先を見据えた経営を行うことです。今後は事業承継五代、百年企業を目指していく方針です。現在、全国の同業者が集まり、日本各地の物件や集合住宅、施工管理などを業界のトップ企業の方々と共に学んでいます。
創業時、日本全国を視野に事業拡大の夢を見て、三十四歳、一人でスタートした会社も、社員が五十五人の会社に成長しました。その後、四十代後半でくも膜下出血で倒れてしまいました。そして経営状況が厳しくなり事業を縮小。物事を損得で考えていた経営理念を見直す決意をしました。全従業員の物心両面の幸せと会社の発展の為、経営理念、社訓を改めました。お客様の要求に応じた住生活総合サービス《わが家の主治医》を商標登録し、住まいの総合病院として地域に必要とされる企業へと取り組んでいます。
十年前に長男が入社。三年間、不動産業の勉強の為埼玉へ出向させました。五年前に専務に復帰し、パワーホームズ不動産?の社長に就任。現在三十四歳で創業時の社長と同じ年齢になりました。今後は五年程で事業承継をしていく計画です。
企業にはそれぞれ、課題はありますが、社員の気持ちがバラバラにならないように《日本美装の哲学》を掲げて、毎朝全員で一ページ読み上げ、社是・社訓・経営理念・経営方針にそって事業を進めています。また、職場は人間教育の場であり、コミュニケーションを重視し、お互いに感謝しあい、讃えあい、助けあう『大家族主義』としています。
病で倒れた時、石田会員は「神が拡大路線に歯止めをかけてくれた」と、素直に現状を受け入れました。この体験を通して生まれた温かな心が、経営方針に活かされているのだと感じました。