企業訪問

【17.12.01】事業承継(18)

社長就任直後に苦渋の決断、社員と共に再スタート

 \; 株式会社北國製紙所
代表取締役社長 澤田 親則 会員

 北國製紙所は、昭和29年より古紙を原料としたちり紙を製造することからはじまりました。その後、昭和50年からトイレットペーパーを製造し現在に至る創業63年の会社です。
 同社は、原料の古紙を溶かしトイレットペーパーに変えていく一切の「抄造」ができる北陸唯一の会社でした。澤田会員が平成17年に入社した頃はその誇れる設備で現場製造作業での経験を積み、営業もしながら3代目の後継者として一歩一歩進んできました。しかし、10年ほど前より、ペーパーレスの時代へ変遷していく中で、材料である古紙の不足から品質保全が厳しくなります。さらに、設備の老朽化により、誇れる技術の存続が徐々に危ぶまれるようになりました。
 「抄造」の設備を廃止する決断をしたのは4年前のことです。それは澤田会員が社長に就任後、初めての仕事でした。事業計画を一から練りなおし、考え抜いた苦渋の決断でした。核である設備を廃止して売上が半分になる事業計画は、工場、土地など沢山のものを失わないと成り立たないものでした。それだけではなく、多くのリストラも行わなければなりませんでした。当時30名の社員のうち20名の大規模リストラは、労働組合からの強烈な反発に遭い、若干34歳の新社長には酷すぎることでしたが、弁護士の協力やひとりひとりと誠実に向き合うことにより3か月で解決に至りました。そして、残った8名と抄造された紙を仕入れ、後工程の製造・加工に特化し、会社を再スタートさせました。皆で力を合わせ、OEM、アイデア商品で実績を積み上げ、少しずつ業績が上昇していきました。
 澤田会員が同友会に入会したのは今年4月。初めての気づきは、困難に立ち向かったからこそわかる社員の大切さであったと言います。
 今後は、北陸で唯一のトイレットペーパー工場としてお客様の要望に合った提案力を強化し、さらには、海外輸出を考えています。同友会で学びを得ながら、大切な社員と共に明るい未来を創っていきたい強い気持ちが伝わってきました。

▲ このページの先頭にもどる

同友会とは?へ

組織と活動内容へ

調査・見解・提言へ

勉強会&交流会へ

支部の活動報告へ

委員会活動へ

共同求人活動へ

会報誌 どうゆう石川へ

企業訪問へ

会員の声へ

リンク集へ

同友会活動支援システムへ

同友会PRムービーへ