【19.01.01】事業承継(31)
誇りを持てるプロフェッショナル集団に
株式会社日本海開発
代表取締役社長 南 純代 会員
同社は平成8年8月に南会員の父親が経営する(有)カナンから派生する形で設立しました。廃棄物全般の収集・運搬、リサイクルのための中間処理業務を行っています。
南会員は短大を卒業後、新聞社へ入社したものの、社長である父親が病気で倒れ、親族らの勧めもあり、同社へ入社することとなりました。そして今年4月に代表取締役社長に就任しました。
女性経営者が勉強できる環境や、本音で語り合える経営者の仲間を求め2013年に同友会に入会。事業承継のきっかけは、今会社の方向性を示していかなければ、社員が将来を不安に思い、健全な経営をすることが困難になっていくと考えたため、自ら先代に申し出ました。
社長に就任するにあたり、銀行との取引条件の変更や、先代についてきていた社員が離職するのではなどと不安がありました。そこで、全社員と個別面談をして、自らの想いと会社の方針・あり方をしっかり説明することで代表としての存在感を示していきました。社長就任後には、自分自身や周
りの目線も変わり、自分の言動の一つ一つが会社の意思決定であることに大きな責任を感じているとのことでした。しかしその一方、決断が早くなったことで、スピード感を持ってトップセールス等が出来ているとも話していました。
南会員は小さな頃から、家業が「廃棄物処理業」であることに「大事な仕事だと理解しつつも、大きなコンプレックスを抱えていた」と言います。就任してまもなく、業者の方に日常の業務を見せたところ、「御社は廃棄物処理のプロフェッショナルなんですね!」と自分たちでは当たり前だと感じていたことが、外部の客観的な視点で言われ、「なくてはならない業務であり、誇りを持って出来る仕事だ」と改めて気づかされたと言います。
また「自社は地域に生かされてきた企業でもある」と話します。今後はさらに地域に根ざした必要とされる企業となるため、様々な属性の方との連携も深めていきたいとのことです。
また今トレンドであるSDGsにも積極的に取り組んでいます。SDGsの社員研修では活発なワークショップの中、社員から「世界共通の分別方法」を会社のムーンショットにしようと提案があり、会社として掲げることにしました。今後一層、循環型社会形成を実現するプロフェッショナル集団になっていくことで、「能美から地球環境を変えたい」と語りました。