【19.05.01】事業承継(35)
顧客に信用され続けることが大切
豊伸産業株式会社
取締役営業部長 豊蔵 正人 会員
同社は、地盤改良などの土木建設工事の設計・施工、建設資材販売を主に事業としています。総合建設業の?豊蔵組など豊蔵グループ4社の中の1社で、創業は1983年です。
豊蔵会員は大学の電子工学科を卒業後、豊蔵グループの?豊商に入社し、専門知識を生かしコンピュータシステムを駆使し、15年間経理を担当していました。その後、?豊蔵組に2年勤め、2012年より同社に入社し、現在は、取締役営業部長として全社員のおよそ半数を占める営業スタッフを取りまとめています。
同友会にはグループ会社の役員と岩木前代表理事の勧めで、2016年に入会し、今から2年後に会社経営を受け継ぐ準備のため、所属する金沢駅西支部を中心に活動をしています。同友会の例会は、他の会員が会社の方向性を明確にした上で経営戦略を立てて行動する大切さを知り、グループ討論では自分だったらどう行動するかを見出すためのヒントが得られるとして、今年度は支部のグループ長2期目を務めるなど積極的に活動しています。
ルート営業活動がメインである同社において、何よりも大切なことは顧客に信用され続けることであり、豊蔵会員は、そのために顧客の要望に対して「できないは言わない」を社内で常に徹底しています。顧客との関係は、馴れ合いだとお互いの進化を停滞させてしてしまうものであり、顧客の要望やチャレンジに対し、きちんと向き合いお互いに高め合うことで、はじめて顧客や社会に必要な存在になれると考えています。
承継を踏まえた今後の展望について豊蔵会員は「国土交通省が掲げる施策「アイ・コンストラクション」に基づき、ドローンなどICTを導入し、土木建設における測量、検査、維持管理などの事業プロセスにおいて、生産性の向上、より正確な施工、そして安全性の向上にも貢献できるように取り組みたい」と言います。ICTは電子工学科出身の豊蔵会員にとっては、まさに得意分野であり、未来を語る様子はとても楽しそうで、表情は一際輝かしく感じられました。