【19.05.01】「平成」から「令和」へ(特別企画)(1)
お客様第一、技術向上を継ぎの時代へ
【平成元年創業企業訪問】
有限会社松島自動車鈑金塗装
代表取締役 松島 寿一 会員
平成元年に先代の父親が個人事業者として会社を立ち上げました。開業当初の主な取引先は、以前勤めていた会社の伝手でほぼ下請けでした。平成2年に法人化し、当時の業界は販売と整備、板金、塗装の業種が会社ごとに分かれていましたが、早くから板金と塗装を一元化して会社の強みとしました。
松島会員は、ディーラーで5年程勤め平成5年に入社しました。会社も徐々に軌道に乗り、父親と社員1名とで日々の仕事をこなすことに精一杯でしたが、新しいことにチャレンジしたいと思い始めました。
平成10年に法改正でユーザー車検制度が始まり、業界の方向転換により当社も整備を加える必要性を感じ、整備士の資格を取得しました。その後、創業当初から借りていた工場の立ち退きを迫られることになります。資金面などで廃業することもよぎりましたが、土地の選定や、融資をとりつけることができ、なんとか現在の場所に新工場を建てることができました。
平成20年には、整備工場の認定を受け、販売と修理も始めました。
同友会へは平成22年に入会します。社員共育塾に社員2名と共に参加したことにより、仕事に対する意識が変わり、参加後は朝礼、終礼、作業日誌を継続するようになりました。下請け脱却を目指し、客層も徐々に変わり始めます。
平成24年に事業承継し、社長に就任しました。現在はホームページ等の活用効果もあり、一般のお客様がかなり増えました。簡単に情報を収集できる今、お客さんが求めているのは本物の技術です。板金塗装の仕上がりはどこにも負けないという気持ちで社員一同日々技術を磨いています。
先代の父親が、車のことなら何でも対応できるような仕組みをつくってくれたおかげで現在に至っています。新工場が軌道に乗ったことを見届けるように亡くなりましたが、創業当初から一番大切にしてきた「お客様第一」の思いと、「日々技術の向上」を平成に受け継ぎました。そしてまた次の時代「令和」に向け引き継いでいきたいと思います。